あきれるくらいに鈍いひと１ ページ11
「あれ……？」
見覚えのある横顔。
多分、あの子だな。
今、伊沢サンがご執心の子。
「森山さん！」
声をかけると、やっぱり振り向く。
「須貝さん！」
「何やってんの？」
驚いた顔でこっちを見ている森山さんに、小走りで駆け寄る。
「え、いえ、別になにも。」
「ただ歩いてただけ？」
「かっ、買い物に。」
「ヒマ？」
「え？」
「お茶でもどう？」
「あ〜……はぁ……。」
俺は「決まりね。」と言い、ずんずんと歩き出した。
「あの、この間はありがとうございました。」
「へ？」
「テレビの。楽屋で。」
「あーぁ。あれは招待したの伊沢サンだし。楽屋に呼んだのも伊沢サンだしさ。」
「そうですけど。」
「で？」
「え？」
「その後、どう？」
「何がですか？」
「伊沢サンと。」
「は？」
「へ？」
「伊沢さんと？」
「…………あれ？」
俺はきっと、口をぽかんと開いたかなりの間抜け面をしている。
この間は否定こそしてたけど……この分じゃくっつくのも時間の問題だと思ってたのは
俺たちだけか？伊沢サン、告白してないの？観覧用の席の手配をして、楽屋にまで
呼んで、俺たちのこと紹介して、挙げ句の果てには伊沢サンが一緒に帰ろうとか言い出してたから、
後は伊沢サンが告白するだけって状態かと思ってたら………。
違うのかーーー！？
こりゃ、伊沢サンの気持ちに全然気づいてないね、この子。
「いや、伊沢サンとは相変わらず仲良くしてくれてんの？」
俺が苦し紛れに言った言葉に、森山さんは「あぁ、」と納得顔になった。
そこ納得するとこ？
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
