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今日のライブもありがたい事にウケが良くて
あ、そういえば京極にこの帽子褒めてもらったからか。といつも彼のマジックで受けの良し悪しを結びつけてしまう自分に、単純だな〜と一人でニヤついてしまう。
「Aさーんお疲れ様です！もう俺腹ペコペコっす、」
「ごめんごめんお待たせ、行こか〜」
「Aさんってオシャレっすよねー、その帽子とか上級者じゃん」
「せやろ？(笑)おろしたてやねん！お気に入り〜」
「可愛いっすね」
「ありがと、ヤスはほんまヒモ気質やね〜、可愛いね〜」
思った事はなんでも口に出ちゃうタイプなん？っていうぐらい素直なヤスが心地よくてついつい甘やかしたくなってしまう。
二人で仲良く歩いていつも行く個室の居酒屋さんに到着。
京極にあんまり飲むなよと釘を刺されたのが頭の隅っこにいていつもよりペースが遅い私に、可愛くコーラを飲むヤスが
「Aさんって、仕事ばっかりで恋とかしてなさそうっすよね」
「へっ…？なんなん急に(笑)」
「いや〜、こんな可愛いらしかったら彼氏の1人や2人いてもおかしくないっすよ？好きな人とか居ないんですか？
あ、でも2人は無理そうっすね(笑)」
「失礼やな(笑)まあ絶対無理やけど」
「でも正直、京極さんとかアリでしょ？」
「えっ……、！？」
思わず持っていたグラスを置いて、時が止まっているのかと思うぐらい思考が追いつかない。
こんなの、はい。気になってます。好きですって言ってるのと同じようなものだ。
「ははっ流石にわかりやすすぎでしょ(笑)大丈夫ですよ、誰にも言ったりしないんで」
「いや、別に付き合いたいとかじゃないねん。別にほんまに。え、？なんで分かったん？」
「だってAさんと京極さんどこか似てますもん。オシャレでハイスペックなのに2人とも不器用ですしね」
「……そうかな」
「今日も俺が出番終わったら、京極さんに“Aあんまり飲ませんといてな。最近忙しそうやから”って釘刺されたんですから」
そんなにアルコールも入ってないはずの心臓がドクドクうるさい。
だけど、なんかスッと軽くなった気がした。
「ヤス、ありがとね。これから何かあったらヤスに頼ってもいい？なんか、すごい楽になった。恋愛の大先輩やし(笑)」
「まじすか？良かったー、なんでも頼ってください！少なくとも俺はAさんより恋愛マスターなんで(笑)」
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作者名：ぴの | 作成日時：2023年12月12日 1時
