希望、それは戯言。2 (ページ10)

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隠し扉か…？でも、こんなわざわざ罠ですと言ってるような本を動かしただけだ。何かあるかもしれない。でも、行ってみる価値はある。

恐る恐る扉を開ければ、階段が続いていた。この先に何があるのか、好奇心で足を踏み出すことにしてみた。

案外長いなと思っていたが、すぐに扉が見えた。1つ息を吐いて扉をゆっくり開ける。

『やあ、ここに来るとは驚きだね。』
「っ！」

見張っていてよかったよ、だなんて笑う。やばい、見つかった。ここからどうやって逃げる。でも、ここは一本道だ。もしこいつの脚が速ければ一瞬で捕まるだろう。ここは、大人しく捕まるべきか。

『おお、彼の言っていた事は本当だったね。賢明な判断だよ。』
「…この先に、っ何がある。」

だんだんと声が出せるようになってきた。治るのが早いな。若干の違和感を感じつつ、目の前のこいつに視線を向ける。

『それは、教えられないよ。でも、初めてでここまで来れた事には褒められるべきだね。』
「教えろ。」
『…その口の利き方はよくないんじゃないか。』

一気に冷ややかな目でこちらを見てくる。オーラが変わった。これ以上は聞けない、か。諦めて階段を上ろうとした時

『おっと、そのままでは行かせないよ？』
「は？」
『No.3～！！脱走とか趣味悪いね～！そういうの嫌いじゃないけど！』
「っぐ、」

今度はさっきと同じ声色で話しかけてきたと思えば、いきなり別の奴に抱きつかれた。誰かはわかっている。

『さ、お部屋に戻りましょ～！』
『次はこういう事がないようにお願いね。』
『うん！俺に任せて～！』

腕を引っ張られながら、部屋に戻る。しっかりと足枷をつけられて。

『んもう！誰が鍵渡したの！折角の俺の暇潰しがなくなると困るのに！』

幼い見た目をして、言う事はかなり残酷だ。どうやら、こいつは暫くここに居座るらしい。とても面倒な事になった。

『ねえ、誰が渡したのか知らないの？こんなの裏切り行為と一緒だから、処罰を下さないといけないのに。』
「…知らない。」
『そいつを庇う為？』
「……」
『まあ、いいや。いずれ炙り出せばいいし。』

本当に恐ろしい。仲間のはずなのに躊躇がないというか。本当に分からないからいいが、もし顔を見ていてこんな風に詰め寄られたら、かなり恐怖だ。

『んー、何かつまんないんだよな～…そうだ、許可もらって色々試そうかな。』
「…何する気」
『えー？実験♡』

これは絶対俺を使うつもりだろう。許可を取りにあいつが出掛けた今、何とかするしかない。でも、どうすれば。