希望、それは戯言。2 (ページ30)

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思えばそうだ。照の時だって最善だと思って選択した事は照からしてみれば最も避けたかった事で、それによって照は暗所が無理になったのではないか。他の皆もそうだったのではないのか。

『やっと過ちに気づいた？まあ、もう遅いんだけどね』

結局俺のやっていた事はただの偽善を通り越した悪だった？目の前から迫ってくる手を見つめながら何も動けなかった。

「ふっか！」

次の瞬間、横から強い衝撃が加わった。思わず床に倒れ込んで上に乗っている人物に目をやる

「…なんで来たの、照」
iw「何馬鹿なことしようとしてんの…」
「っ、あの時、俺は！」
iw「分かってる。全部分かってる。それでも目の前で何もしないお前を見て動かない訳には行かなかったんだよ」

あんなに失望させる事を言ったのに、照は安心したかのように目尻を下げて笑った。
どうしてともう一度聞こうと思ったが、震える手で強く抱き締められてしまったから何も言えなかった。

「おーい、感動の再会のところ悪いんだけどさ…こいつどーすんの」
iw「あ、ごめんごめん。ほら、行くぞふっか」

差し伸ばされる手がある事に胸が熱くなった。まだ戻ってもいいものなのか。1度傷つけてしまったのに。

iw「何迷ってんの。まあ、文句の1つや2つはあるけど、俺らはふっかを待ってんだけど。」
「…ありがと」

手を取って、立ち上がると照に背中を叩かれた。それがなんだか久しぶりでもうする事はないだろうと思っていたからか、妙に嬉しくなった。

「てか、お前感謝しろ！俺がこうやって食い止めたから喋れたんだからな！」
iw「はいはい、ありがとね。翔太」
nb「っち、心籠ってねえな」

正座で、腕を縛られたこいつは俺が目の前に立つと睨んできた。声も喋られないようにしているのか歯を食いしばっている。

「ありがとな、いろいろ言ってくれて」
『…っ、』

翔太にあいつはどうするのかと聞けば、解除の仕方が分からないなんて言うから、時間経過を待つという結論に至って、照に目黒を背負ってもらい、俺らは部屋を出た。

kj「っ～！ふっかさんんん、！」
「っおわ、危ないな…笑」

曲がり角を曲がった瞬間、勢いよく康二が抱き着いてきた。肩に顔を埋めてきて、時折身体を震わせてる。こんな思いをさせてしまった事に罪悪感が募る。

ab「…馬鹿。ほんと馬鹿。有り得ない」
sk「阿部ちゃん、素直になりなよ…ふっか、こう見えても阿部ちゃん1番後悔してたんだよ。」
sk「佐久間もそうでしょ…」

相変わらず正反対の2人の会話は面白いなと思いながら聞いていた。