希望、それは戯言。2 (ページ20)

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皆が眠りにつく中、1人だけ目を開けて窓から指す光を見つめている人がいた。

「…眠れないの？」
mg「寝たくない」

ふっかさんからめめが不眠症だったという事は前に聞いていた。でも、治ってきたという話を聞いていて、この状況で悪化してしまったのかと思えば、もはや逆だった。

「寝たくないって？」
mg「……別に」
「気になる。」
mg「関係ない」
「関係ある。もう仲間でしょ」

”仲間”という単語に何かあるのか。めめは少し不機嫌そうな顔をした。めめが話す気はなくても、俺は何も知らずに過ごすなんて事は出来ない。少しは頼ってよ、馬鹿

mg「……もういいから、早く寝ろ」
「嫌だ。めめが寝るまで俺も起きてる」
mg「寝ろ」
「…何で何も話してくれないの」

真正面に座り直して目を見つめる。めめは困ったように目を逸らした。年下だから？頼りないから？でも、俺はめめの力になりたい。

mg「…言ったら寝るか」
「理由話して寝てくれたら」

そういえば、めめは深く息を吐いた。暫くして観念したのか俺の目は見ずに口を開いた

mg「……あいつがいつ来るか分からない」
「あいつってさっきの阿部ちゃんと瓜二つの？」
mg「寝てたら分からない。また見えないところで何かが起きたら」

恐怖。不安。それがめめを襲っているんだ。話してくれたという事実が俺の心に優越感をもたらす。伝えてくれたからには、ちゃんと返さないと

「確かに怖いけど、大丈夫だよ。皆強いから。それに、あんな奴らに屈しないよ。」
mg「……それでも」
「信じてよ、皆のこと。」

上手く返せてるかは分からない。ただ、めめが安心して眠れるように。その一心で声を出した。

mg「話したら楽になった。寝る」
「…うん。」
mg「お前もちゃんと寝ろよ」
「わかってる」

暫く経って横から寝息が聞こえてきた。よかった。ちゃんと寝れてる。俺も横になって目を瞑る。めめの本当の理由も知らずに

sk「ラッウール！！」
「んん、佐久間くん煩い…」
iw「おい、ラウに何してる」
sk「起こしただけだって！そんな怖い顔しないでよ～」

佐久間くんの大きい声に意識がはっきりしていく。外はもう随分明るくなっている。1つ欠伸を零せば、めめが康二くんと翔太くんの方で何やら浮かない顔をしていた。

「あそこの3人…」
sk「やっぱ気になる？何か揉めてるんだよね」
iw「止めようとも思ったんだが、珍しく康二が真剣な顔で止めるなっていうから、何だかいきずらいんだよな…」

確かに2人は凄く真剣な顔で何か話してる。2人がそこまでになる事をめめはしたの…？