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その後2人の話を聞けば、ラウールは相手の体に一度でも触れたり、血に触れたりすれば人を思いがままに操れるらしい。佐久間くんは周りの重力を重くしたり、逆に自分だけ軽くしたり出来るという。やっぱり何もないなんてことは願っても叶わなかった。
sk「皆も同じだったんだ。何かちょっと心強いや」
ru「どんな反応されるかなって…ちょっと怖かった」
nb「別にいつも通りだわ。俺らをなんだと思ってんだよ」
iw「翔太の言う通りだな」
俺から離れて佐久間くんの所へ行ったラウールは少し顔が曇っていた。それは2人の言葉で晴れることになるが。佐久間くんもラウールの顔を見て優しく微笑んでいる。
kj「っ皆!誰か来るで!!」
ずっと隣で珍しく話さなかった康二が急に顔を上げてそんな事を口にした。全員一斉に後ろへ下がって扉の方を見る。そこには見なれた人物がたっていた。
「あれ、皆いたんだ」
iw「っは、何だよ。お前は自力で来たのか」
nb「まあ、無事なら良かったわ」
ru「…康二くん?」
隣で震え出した康二を守るように抱き締める。…何となく違和感を感じる。いつものあの人じゃない。こんな状況で何故近づいてこない?必死に探していた人物が目の前にいるのに、何故何もしない?目の前のこいつは誰?
sk「…お前、誰だよ。」
「え?冗談はやめてよ。佐久間」
sk「…誰だっつってんだよ。阿部ちゃんのふりなんかしやがって」
佐久間くんが恐ろしい程低い声で目の前のあいつを睨みつけている。皆も徐々に気づき始めたのか、顔を引き締める。
『あー、もういいや。どうせ明かすことだし』
その笑顔は見た事のないものだった。
sk「阿部ちゃんは何処だ」
『そんなに怒らないでよね〜対応が面倒なんだけど』
nb「てめえ…死にてえのかよ」
『ん?今の俺の姿見てよ。殺せるの?』
目の前のこいつは見た目は阿部ちゃんだ。本当に見分けがつかないくらい。だから、俺らが手を出せない事を逆手にとって挑発してくるのだ。汚い手を使う。
『さ、無駄話もここまでだよ。早くお部屋に戻ってね。モルモットくん達』
iw「お前、いい加減にしろよ」
『…それはお前らだろ。次はないって忠告してやってるってわかんねえのか』
あのすばしっこい奴のような威圧感がある。会話のやり取りを見ていると、頭が強く殴られているような感覚になる。あまりの痛みの激しさに脚の力が抜けて床が近くなっていく。
『やっぱり、被検体としての才能が群を抜いてるね』
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波玖(プロフ) - 凄く素敵なお話で一気に読んでしまいました!更新など大変だとは思いますがゆっくり自分のペースで頑張ってください!応援しています! (2023年1月20日 4時) (レス) @page30 id: 0db998082b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっつめんず | 作成日時:2022年1月16日 15時