願望 ページ17
そうして、また先頭になって廊下を進む。不気味な廊下に2人がくっつきながら喚いている。見つかるのも面倒だし、静かにして欲しいのだが。
「…着いた。」
kj「これ、中の様子は見えへんな」
nb「だな。てか、声も聞こえないのか」
kj「確かに!2人の声聞こえへんかった!」
「防音…悪趣味」
nb「同じ意見だな」
kj「…もー!早く行こうや!」
康二が俺と翔太くんの間から手を伸ばして扉を開ける。勢いよすぎて転びそうになっていたので、上半身を腕で支える。
kj「あっ、…めめ、ありがとな」
「無茶良くない」
nb「おい、お前らどけ」
俺ら2人が塞いでいたせいで、翔太くんが痺れを切らして睨んできた。康二が慌てて引っ込んだと思えば、顔面蒼白にして部屋にいる彼に向かって走り出した。
kj「な、なんやこれ。何が、どうなって!!」
「はは、慌てんな。大丈夫だから」
kj「大丈夫なわけあらへんやろ!そんな苦しそうな顔で笑われても説得力ないでっ、…照兄」
目の前で康二に向かって笑いかけている岩本くんの左腕は人間のものではなかった。動物…恐らく熊や虎のようなものだろう。
「……っ」
改めてこんな非現実的な事をこの3人も他の5人もやられているのかと思うと口に苦味が広がるような感覚がする。たった1粒の薬のせいで皆、皆これからの人生の歯車が狂っていくのだ。
nb「…照。立てるか」
iw「ああ…助けに、行くんだろ?」
nb「ったり前」
iw「やられたらその倍返さなきゃな。おい、いつまでくっついてんだ」
kj「照兄…」
iw「大丈夫だから。ほら、目黒も行くぞ」
何処までも前向きなんだろう。どうしてそこまで足を踏み出せるんだろう。俺にはまだよく分からない。ただ罪滅ぼしの為に3人の背中を追う。
「……ここ」
kj「…大丈夫やろか」
iw「信じるしかない」
nb「開けるぞ」
今度は翔太くんが先陣を切って入っていく。そこには凸凹な背の2人組。1人は飛びついてきた。
「っめめ…!!」
「…ごめん」
「謝らないでよ。っ会いたかった…」
「感動の再会だね」
iw「お前もだろ、佐久間」
sk「にゃは、久しぶり〜」
kj「さっくんんん」
sk「お?よしよ〜し」
久しぶりに少し背の高いこいつを見て、何だか酷く安堵した。何故かは定かではないが。それに佐久間くんも無事でよかった。
「ラウール、」
ru「何?………ほんと、めめらしくない」
nb「ラウールも佐久間も体調は平気か」
sk「大丈夫!この通り元気もりもり!!」
ru「っ俺も」
ふっかさんと同じように頭を撫でればラウールは目を伏せて小さく笑った。
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波玖(プロフ) - 凄く素敵なお話で一気に読んでしまいました!更新など大変だとは思いますがゆっくり自分のペースで頑張ってください!応援しています! (2023年1月20日 4時) (レス) @page30 id: 0db998082b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっつめんず | 作成日時:2022年1月16日 15時