希望、それは戯言。2 (ページ2)

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「これ以上はほんとに危ない…っ照！あとどれ位！」
iw「あと3分だ！」
dt「…目黒？目黒！！」
「……心肺停止、」
fk「っ先生、心肺停止しました、！」

あと3分。あと少しだっていうのに、舘さんの珍しい焦りに思わず胸に耳を当てれば、心臓の音が全く聞こえない。急いで仰向けに戻して、心臓マッサージをする。

舘さんにはずっと声掛けをしてもらう。ふっかは先生と電話を繋いでるらしい。それなら、すぐに処置出来るかもしれない。まだ、まだ希望は残ってる。

「目黒！死ぬなよ！！」
iw「着いたぞ！」

その瞬間、扉が開く。…先生だ

「そのままこっちまで運んでくれ。」
「っはい。」

言われるがままに俺と舘さんで、ストレッチャーに乗せて、ふっかがAEDを先生に手渡す。手順は理解しているので手伝う。少しでも何かしてないと、気が動転してしまうそうになるから。

「離れろ！」

その瞬間、目黒の体が大きく跳ねる。それでも、戻らない。もう一度電流を流した所でようやく心拍確認が出来た。そのまま走り出す。

「刺されたのはいつ頃だ。」
dt「30分程前です。」
「かなり危険だな…っし、手術室まで着いてきてくれ。」

手術室に着き、目黒を手術台へと移動させる。弱い呼吸ではあるが、心臓が動いただけで安心だ。

「あとは任せろ。」
「はい、お願いします。」

手術室を出た途端、急に力が抜けて舘さんに支えられる。

dt「よく頑張ったよ。」
「…頑張っただなんて、さほどの事出来てないよ。」
dt「出来てるよ。俺らにはあんな素早い対処出来なかった。阿部がいなかったら、どうなってたか分からない。」
「そう…かな」

手術室の前のベンチに腰をかけて話す。舘さんの言葉は暖かみがあって、心に染みる。手術は長時間に渡って、あっという間に太陽が昇っていた筈が月が昇っている。

ラウールは来たいと言ったが、あの精神状態でこさせるのは危ないと翔太と佐久間が傍にいるらしい。他の皆は全員こちらに来て静かにランプが消えるのを待っている。

kj「…消えた。」
fk「っ先生！目黒は…」

ランプが消え、扉が開き、先生が出てくる。そして、目黒も。顔色は安定しているようだし、何とかなったのか。

「命に別状はない。ただ、吐血を繰り返した影響で喉が激しく損傷してる。暫くは喉を使うのは禁止だな。」

よかった。喉がもう使えないなんて言われなくて。病室に集合して、眠っている目黒を見て溜息をつく。ほんとにあの時は心臓が止まるかと思った。

目黒が目覚めたのはそれから3日後だった。