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第三十二話 ページ34

月島はバカにするような目で見てたけど、私は静かに2人を見つめる


これからなにをやろうとしているかは、知ってる
でも実際に見るのと文章から汲み取るのじゃおおいに変わるということを知った私は、目を離せないで居た



レシーブで上がったボールが、影山の手元に吸い込まれる。日向はジャンプして今は最高点に達している状態だった
ボールが空気を切る音が響く。そしてその次になったのは、ボールが体育館の床に叩きつけられる音だった。それより、私は思わず声を出してしまった



「速い・・・!それに、日向目、瞑ってた・・・・!」



「手に当たった〜!!」



トスは最高点を逃すまいと、高速で空気を切る
日向は一切見ていないのに、その高速のトスを打ってみせる

私は、思わず見入ってしまっていた
あんなすごいトス、自分も打ってみたいと思ってしまう
でもそう思ったと同時に、胸のあの痛みはまた再発した


「今日向、目瞑ってたぞ・・・・・・」



「「はぁぁぁぁあ〜!?」」


コートから、声が上がる
まあ当たり前だろうな。目を瞑っても打てるトスなんて、聞いたこともなければ見たこともないだろう


「ジャンプする瞬間から、スイングする間まで、日向は目を瞑ってた」

「つまり影山が、ボールを全く見ていない日向の手にピンポイントにトスを上げたんだ!スイングの瞬間にあわせて、一寸の狂いもなく!!」


驚愕といった表情を浮べている影山は、すぐに日向を問いただす


「おぉいお前!!目瞑ってたってなんだ!!」

「お前がボール見るなって言ったんだろ!?目開けてっと、どうしてもボールに目が行くから」

「確かに言ったけど!!」

「でも今の成功した!何が悪い!」


何処までも純粋無垢な日向は、何処までも常識から外れたことをする
でもこれが日向の強さだって言うなら、ゾッとしてしまう


「それはそうだけど、100パー信じるなんて出来るかフツー!?」


「だっていま、信じる以外の方法わかんねーもん!」



「・・・次も俺が持っていく。信じて跳べ!」


なぜだか分からないが、心の中にどうしようもない消失感と絶望感が渦巻く



「潔子さん、ちょっと具合悪いんでもう戻りますね」


「え?う、うん・・・・・・」


体育館を邪魔にならないように静かに出ていく


『明かりがあれば、影が出来る』


誰の言葉分からないそれは、頭の中でずっと渦巻いていた

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梓乃猫 - 雷鳥メイト(前:46猫メイト)さん» ありがとうございます!はい、是非見させてもらいます♪ (2014年8月24日 12時) (レス) id: cc608ed0b8 (このIDを非表示/違反報告)
雷鳥メイト(前:46猫メイト) - 梓乃猫さん!!めっちゃ面白いですよ!!ヤバイです!!良ければ私の短編以外の作品も…(。・ω・。)つ【他作品】 (2014年8月24日 7時) (レス) id: 83ed2febe6 (このIDを非表示/違反報告)
梓乃猫 - 奈々@桃子さん» こちらこそ参加させていただきありがとうございます!そういっていただけると幸いです。 (2014年7月25日 16時) (レス) id: cc608ed0b8 (このIDを非表示/違反報告)
奈々@桃子(プロフ) - 今回は、イベントに参加頂きありがとうございます!!小説凄い面白かったです!!更新頑張ってください!! (2014年7月24日 12時) (レス) id: 5be90bf33f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梓乃猫 | 作成日時:2014年7月16日 19時

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