第二十四話 ページ26
菅原side
今日清水が連れてきた女の子は、とても不思議な子だった
雰囲気が大人びてるとか、達観してるとかだったら探せばいくらでもいる。だけど、その女の子だけは特別な感じだった
ミッドナイトブルーの髪は、その色の名の由来とは似つかわしくない光沢を放つ。瞳はまるで深海のような深い青で今にも吸い込まれそうだった
そんな女の子___もとい錫原Aさんと、俺は今二人きりなのだ
ドキドキとか、そういうのはない。さすがに生まれたてのヒヨコじゃあるまいし、それに痛い沈黙が続いてるから逆にそっちでドキマキしてるくらいなのだ
とりあえず、話題、話題、話題
って簡単に見つかったらこのときまでの俺の苦労はどうなるんだ!
・・・・・・そうだ、せっかく知り合ったんだし、若干おこがましいかもしれないけど一応伝えておこう
「・・・・・・あの、さ」
「はい・・・・・・」
錫原さんは、短く答えると足を止める
俺もそれにつられて足を止めて、話し出した
「・・・辛かったら、俺らに相談していいよ?今日ずぶ濡れになってたのって、嫌がらせで水を浴びせられたからなんじゃないの・・・?だから、清水でも、大地でもいいから、1人で抱え込まないで相談したほうがいいべ!」
言い切った。よくやった、俺
ちょっと乱文な気がしなくもないけど、伝わるはず・・・!
「・・・・・・ありがとうございます。でも私は、菅原さんこそ1人で抱え込むのをやめたら良いと思うんですけど」
「・・・・・・え?」
返ってきた答えは、予想外だった
どうして?俺はそんなにわかりやすいのか?でも、大地にだってばれてないはず・・・
「悩んでるんでしょ?多分、バレーのこと。だって菅原さん、トスを上げてる時の顔が・・・・・・苦しそうだったから」
「・・・・・・っ」
なんで、分かるんだ
その吸い込まれそうな目は、なんでも見透かすのか?
辛い、苦しい、逃げたい
そんなことしてもどうにもならないって分かってる。でも、でも!!
・・・・・・俺は、今年が最後だから大会だっていっぱい出たい
でも、旭にあんな苦しい思いさせるような俺がでるより、天才の、才能ある影山がチームを引っ張ったほうが絶対にいいんだ
今の影山はあれだけど、きっと今回の試合だって勝って、俺のポジションを取るんだろう
だったら・・・・・・!!
俺は、今日会ったばかりの彼女の前で涙を堪えていた
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
スポーツドリンク
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梓乃猫 - 雷鳥メイト(前:46猫メイト)さん» ありがとうございます!はい、是非見させてもらいます♪ (2014年8月24日 12時) (レス) id: cc608ed0b8 (このIDを非表示/違反報告)
雷鳥メイト(前:46猫メイト) - 梓乃猫さん!!めっちゃ面白いですよ!!ヤバイです!!良ければ私の短編以外の作品も…(。・ω・。)つ【他作品】 (2014年8月24日 7時) (レス) id: 83ed2febe6 (このIDを非表示/違反報告)
梓乃猫 - 奈々@桃子さん» こちらこそ参加させていただきありがとうございます!そういっていただけると幸いです。 (2014年7月25日 16時) (レス) id: cc608ed0b8 (このIDを非表示/違反報告)
奈々@桃子(プロフ) - 今回は、イベントに参加頂きありがとうございます!!小説凄い面白かったです!!更新頑張ってください!! (2014年7月24日 12時) (レス) id: 5be90bf33f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓乃猫 | 作成日時:2014年7月16日 19時