【るろうに剣心】違うようで違わない【憑依？】 (ページ9)

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"ぐふっ……なんなの……？いつから少女漫画になったの……？見つめ合うと素直におしゃべり出来ないの……？"

頭の中で倒れている剣に目もくれない。薫が口を開くのを、にこにこと笑ってみている。

「じゃあ、約束よ、剣心＿＿！？」

時が止まったかのようだった。

先程まで少女漫画がどうのとうるさかった剣も目を見開く。

横から出てきた刃衛が薫をかっさらって、にやりと剣心を嘲るように笑む。

「＿＿＿薫殿ッッ!!!」

肺もつぶれるかというくらい、大きな声で名前を呼んだ。

「この小娘、お前の女と見た！」

薫は口を塞がれていた。声が出せるはずもない。

けれど、違う。聞きたかったのは、お前のニヤついた笑い混じりの声ではない。聞きたかったのは、見たかったのは、話したかったのは！お前じゃない!!

「刃衛ッ……！」

「怒れ！さすればお前は十年前に立ち戻る……！憎め！俺を憎め……！ははははは!!」

もぞ。薫が精一杯身じろぎして、なんとか口元の手をどかせた。

「剣心＿＿っ！」

その声を最後に、二人の姿は消えてしまった。