二十八話 ページ29
雨音side
「ん？あ？？
何だお前…こいつらの子供かぁ？？」
しばらくすると、化け物は俺を見てそう言った。
恐怖で声が掠れる。
「へぇ…裕福そうな家だと思ってたが………お前は随分貧しそうな格好じゃねぇか、あ？？」
僕の肩に血に染まった手を置く。
ベタリと紅いモノが服に付いた。
「…お前は喰っても骨しか無さそうだ。
喰っても喰わなくても変わんねぇなら喰わねぇ。」
お前、不味そうだし。
そう言い残して、化け物は去っていった。
そこからの記憶は曖昧だ。
気が付くとそこには村の人達がいて、僕を取り囲んでいた。
「だから言ったんだ！
早く殺すべきだと！！！」
「育ててくれた親を殺すだなんて、何てことをっ！？」
「あんな風にしてっ…お前には心が無いのか！」
いや、違う。
僕じゃない、化け物が…
そう声を上げるも無駄だった。
土砂降りの雨の中、僕は外に放り出された。
「そんな血に塗れて、何が僕じゃないだ！！」
「お前は人なんかじゃない！
人の皮を被った化け物だっ！！
お前が化け物だ！！！」
誰も、信じてくれない。
それもそうだ。
あの二人は、表向きには僕を世話してるように話していたのだから。
忌み子の僕の話なんて、誰も信じてくれやしない。
「殺せ！」
「早く殺っちまえ！！！」
生まれてこの方、人の温もりを感じたことがない。
「ぐずぐずすんなよ！」
「俺達まで殺されるぞ！」
僕は、最期の最期まで
愛されることは無いんだ。
.
.
.
.
『鬱陶しい。
死ぬならアンタ等が勝手に死ねばいい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海馬 香鷹(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます！亀更新ですが、私なりに頑張りますのでよろしくお願いします……っ！ (2019年9月23日 22時) (
レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってます！ (2019年9月21日 19時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - 天神人狼さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします……！ (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございますっ！ (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
天神人狼 - あー………好きです(突然の告白)待ってます！ (2019年9月17日 21時) (レス) id: fb4ece15fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海馬 香鷹 | 作成日時：2019年9月16日 17時
