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十五話 ページ16

炭治郎side

冨岡さんに言われた通り、俺は鱗滝さんという人を探すことにしたが、その前に家へと戻り母さんと竹雄、花子に茂、六太を家の庭へと埋めた。


禰豆子は疲れたのか眠ってしまったので、俺が禰豆子を背負って雪道を歩いていた。


どれ程歩いたかは分からない。

狭霧山まで後どのくらいなのかも分からない。



辺り一面真っ白で何が何だかさっぱりだ。




ふと気がつくと、なんとも言えない不思議な腹の空く香り(におい)がしてきた。



ふわりふわりと漂うその香り(におい)は歩けば歩く程強くなる。



鬼の匂いではないし、勿論人の匂いでもない。



だが、一つだけ言えるのはとても優しい香り(におい)だということだ。


疲れを包み込んでくれるような、哀しみを消してくれるようなそんな香り(におい)



スンスンと犬のように鼻を鳴らして歩く。
ひたすらに暗くなりゆくその道を歩く。



顔を下げて歩いていたからか、顔を上げると開けた場所へと出ていた。



急に香り(におい)が、ガツンと強くなり人の気配がした。




『……はぁ…また厄介なことにに巻き込まれそうだね』


一目見ただけでは男か女か区別がつかない中性的でとても魅力的な人が、綺麗な眉をひそめて言った。


その低い声は男のソレだった。


「あ、あの…」



目の前の男はチッと舌を打った。

その音と、ピリピリとした匂いに勝手に肩が跳ね上がる。



『ビクビクしてんじゃないよ、困ってんだろ

早く妖奇庵(ウチ)に入りな』


くいっと顎で指された先には大きすぎる屋敷が建っていた。



今までは無かったはずだ。
そこにはだだっ広い雪野原が広がっていただけだったのに。


『ボケっとしてないでその貧相な足を早く動かしたらどうだい。

そんな場所に立たれたら邪魔だよ。
その気が無いなら戸を閉めるからね』


大荷物を持った彼はそう言い放った。


初対面の人に対して貧相な足とか言わないだろ。

苛立ちからなのか、彼から漂う香り(におい)はどんどん強くなっていた。


「でも…鍵が」

『こんな山奥で鍵なんざかけやしないよ。
ここらで勝手に家に入ってくるのは熊だけさね』


いや、熊入ってくるんかい。


そう思ったが、それを言ってしまえば殺気だけで殺されてしまいそうなので我慢した。



「し、失礼しまs((ギュルルルル」
『喋るか腹鳴らすかどっちかにしな』


彼は塞がった両手の代わりに足で乱暴に扉を開けて屋敷と入っていった。

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海馬 香鷹(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます!亀更新ですが、私なりに頑張りますのでよろしくお願いします……っ! (2019年9月23日 22時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってます! (2019年9月21日 19時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - 天神人狼さん» ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします……! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございますっ! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
天神人狼 - あー………好きです(突然の告白)待ってます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: fb4ece15fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海馬 香鷹 | 作成日時:2019年9月16日 17時

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