九話 ページ10
今日も、隻眼の男は右側に刀を差し人気の少ない裏道を歩く。
だが、一人では無い。
『いいかい…今から行くのは危険な所さね』
「……化け物が出るから……ですか?」
『いや……それよりも、もっと危ないよ』
だから
そう続けた洗足は、真っ暗な曲がり角へと入っていってしまった。
好奇心旺盛で少し天然な彼女だが
その曲がり角を曲がる気にはなれなかった。
ただ一人、そこに座り込み
妹とその友人の無事を祈ることしか…彼女には出来なかった。
.
.
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雪枝をあの場所に置いてきてよかった、と洗足は今痛感していた。
暗くじめっとした目の前の建物からは、ナニカが腐敗する生臭い臭いが漂っていた。
『…おや、日が暮れてきたねぇ………早くしないと…面倒なことになるさね……』
空を見上げると、高い場所にあった筈の太陽は少しずつ下へ下へと降りてきていた。
ここは人気も無い。
夜になれば鬼も動き出すであろう。
そう思うと、少しだけ足が早く動いた気がするのであった。
この屋敷の家主は居ないようだ。
しかし、手入れは行き届いていた。
まるで、人が普通に生活しているかのように。
『…おや……………あぁ…』
建物内を覗き込んだ彼は、そう呟いた。
ーーーーーーー
『アンタ等は……生きて帰れるといいねぇ』
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海馬 香鷹(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます!亀更新ですが、私なりに頑張りますのでよろしくお願いします……っ! (2019年9月23日 22時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってます! (2019年9月21日 19時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - 天神人狼さん» ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします……! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございますっ! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
天神人狼 - あー………好きです(突然の告白)待ってます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: fb4ece15fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海馬 香鷹 | 作成日時:2019年9月16日 17時