マフィアに買われた【旧双黒】

肆 ページ5

不安を募らせながら付き添い役の人を待っていた


どんな人なんだろうか、もしも怖い人ならば… そんなことを考えると更に緊張感が走る


そんな間に時間は刻一刻の過ぎていく。どうしようか、逃げ出してしまおうか


なんて考えるまでに至って私は怖がりだ


そんな時、ノック音がして誰かが扉を開けた。どんな怖い人なんだろう そう思い其の人の顔を見ていると




「やァ、森さんから僕の話は聞かされているかい？」




入ってきたのは歳の近そうな青年だった。


少年ではなくその年寄りも更に上だ、これは見た目の話云々ではなく 圧 がそうだからである




『つ、付き添い役がくるとだけは』



圧倒されて口を開けたので思うように口が動かない


その青年はなーんだとでも云うようなつまんなそうな顔をして、でもそこにはどこか見透かしたような目が見えた




「では改めまして、、僕は太宰治。よろしくね」




余りにも簡潔な自己紹介に太宰さんの性格が相見える


用心深い性格なんだろうか？万が一私が敵側に寝返った時の為必要最低限のことしか伝えないのだろうか？


幾ら考えても考えは深まるばかり


今からこの人と行動を共にするとなると不安でしかない、。


なんだか見たことがある気がする…。 そんな考えに至るまで早数秒


茶髪、茶髪、、。そう言えば私を買った人＿＿＿＿＿＿



『よ、よろしくお願いします』




やっと口から出た言葉が其れだ


すると太宰さんはニヤッと艶やかに笑い、着いてきなさいと言った

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