少しではない、前のときの関係[無一郎] ページ9
「紗音〜!」
「わっ!?……あ、無一郎じゃん」
無一郎が抱きついてきた
驚くのも毎回だ
「んふふ〜。 ねぇ、折り紙やろ?」
「わかった」
それから無一郎と折り紙をすることになった
何を作るのだろうか?
無一郎のほうを見てみる
紙飛行機だった
死ぬほど飛ぶの作れるんだった
じゃあ……
桜を作ろっと
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「紗音〜できた?」
「うん! できたよ」
無一郎が話しかけてきた
できているので、返事をした
「じゃあ、いっせーので で見せるよ」
「うん」
「「いっせーので」」
私と無一郎が一緒に言った
いっせーので、と言ってお互いに見せた
無一郎は紙飛行機
私は桜
「やっぱ紗音は桜なんだね」
「無一郎は紙飛行機でしょ?」
お互い笑った
この、紗音と無一郎
その光景を遠くから人が見守っているのを知らずに……
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「無一郎くん、紗音ちゃんにベタ惚れね」
「付き合っているのでいいのでは?」
「ド派手に和むぜ!」
「お似合いだな」
「俺もああなれるのか?」
「お似合いだ、そのままでいてくれ」
「ふふっ……私の子ども達はお似合いだね」
「冨岡さんはどう思っているんですか?」
「俺お似合いだと思う」
「皆さんと同じこと言ってますね」
柱のみんなは……
紗音と無一郎を遠くから見守っている
だが、紗音も無一郎も見ているのは知らない
お互いが相談しているのは、お互い知らない
嫉妬してほしい……
冷たい……
お互いの気持ちを知る
その日はいつになるのだろうか
嫉妬される日……
優しくなる日……
いつかその日が来るまで
お互いは相手のことを、どうしたらいいか
たくさんのことで悩んでいる
お互いの悩みが解決するのは……
きっとまだ先の日になるだろう
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