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第2話 ページ4

昼食を食べ終えた後、達也たちE組は、魔法の実習だった。

クラス全員の実力は知っていたが、夏目の力量を知らない為、クラスの全員が興味津々だった。

「夏目くん、準備出来ましたよ〜」

夏目の測定器を準備していた美月が、夏目に合図した。

「柴田、ありがとう」

「どういたしまして。
あと、皆もそうなんですけど、苗字じゃなくて、名前で呼んで欲しいです」

「…判った。美月、で良いか?」

「はい……あ、どうぞ、始めて下さい」

夏目は、美月の言葉に頷くと、魔法を発動させた。

「え……」

「ウソだろ……」

測定器の近くにいた美月とレオが、感嘆を通り越して驚きや疑問の表情を浮かべていた。

それに気付いた達也、エリカ、幹比古がこちらを向いた。

「えっと……どうだった?」

それに居心地が悪くなった夏目が、数値を美月に聞いた。

「……二三〇ms(ミリ秒)……」

「は……?」

「どうして……」

周りの生徒が驚く中、

「まあ、『アイツ』がいなきゃ、こんなモンだろうな……」

と、夏目は納得顔で独り言を述べた。

だが、そんな言葉を聞き流してしまう程、その数値は衝撃、否、異常だった。

「夏目くん、貴方、二科生なのにどうして…」

エリカが呟く様に夏目に問うた。

「え? ああ、多分、一般人の高校から来たからだと思う。
一般の学校の先生も、普通はこんな事あり得ない、って言っていたから」

そう話した夏目の顔は、少し寂しそうで、哀しそうな顔だった。

◇ ◇ ◇

この日の授業が全て終わり、達也は、夏目に声を掛けた。

「夏目、駅まで一緒に帰らないか?」

達也がそう訊くと、

「あ、ああ」

と、少々上の空というか、気の抜けた返事が返ってきた。

◇ ◇ ◇

「お兄様、夏目くん、お待たせ致しました」

「俺たちも今来たところだ」

「悪いな、俺まで一緒で」

夏目がそう謝ると、

「謝るのは俺らの方だ。無理矢理誘ったんだから」

レオが珍しく(?)気の利いた返事をした。

「夏目、少し寄り道するが、大丈夫か?」

達也がそう訊くと、夏目は、

「多分、大丈夫だと思うけど……」

随分あやふやな答えを返した。

その理由を訊くと、

「家のヤツが待ってるんだ」

「へぇ、妹か弟かい?」

「いや、同い年の子なんだけど、夕飯作って待ってるだろうから……」

夏目は、少し遠慮がちにそう言った。

第3話→←第1話(プロローグの続きです)



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yuumin - 面白いですね。あと、D組だと一科生になりますよ。長文失礼しました。 (2022年8月5日 10時) (レス) @page32 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 白沢未海さん» 分かりました? チョッと要素入れてます^ ^ タグつけた方が良いですか? (2015年6月4日 15時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
白沢未海(プロフ) - ナビ・ルナ好きですか? (2015年6月4日 14時) (レス) id: 455b50df85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 一颯さん» 教えてくださって、ありがとうございます!全然気付かなくて…… (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 麻衣ちゃん、ありがとう!私も応援しています! (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏目りん | 作成日時:2015年3月3日 15時

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