第13話 ページ15
*回想編(?)、続きます!
そして、二人は親戚やその知人に引き取られて暮らしていた。
この頃の貴志とりんとの関係は、そこまで『良好』と言えるものではなかった。
そんなある日のこと。
◇ ◇ ◇
『また』と言うより『いつものように』と言う方が適しているかもしてないが、また、違う人の家に移ることになった。
「あ、あら、貴志くん、りんちゃん。今日から私たちのお家に来ることになったから、よろしくね」
隠しているつもりであろうが完全に顔が引きつっている、新しい二人の保護者が、挨拶した。
この頃から、妖からの被害を被っていた為、貴志とりんは気味悪がられていた。
「はい、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願い…します!」
完璧な営業スマイル(?)を浮かべて挨拶するりんと、目を逸らして伏し目がちに挨拶した貴志はえらく対称的だった。
◇ ◇ ◇
「あ、貴志くんとりんちゃんのお部屋は、ココね?」
「はい、ありがとうございます!」
「……はい」
この貴志の空白は、
(やっぱりりんと同じ部屋か……まあ、部屋を借りれるだけ、仕方ないかな)
という、チョッと大人の思考(という名のませた諦め)をしていた最中だった。
「じゃ、じゃあ、二人とも、お荷物のお片づけしていてくれる?」
一刻も早く、この場から立ち去りたかったのであろう、新しい保護者の女の人は、そう言い残して部屋から出て行った。
◇ ◇ ◇
この時の二人の年齢は、普通の子供が幼稚園や保育園に行くようになる年であった。
その為、ココの家から近く、ココの家にいる男の子もそこに通っている、との理由で、保育園に通うことになった。
その保育園は、バスの送り迎えが有ったので、それに乗っていれば保育園の門の前に着く。
しかし、
「お前が隣に座らなくても良いだろう!」
バスの中、と言う空間の為、小声ではあったが明らかに怒気が含まれた声で、貴志はりんに叫んだ。
「あら、別に良いじゃないですか。どうせ私たちと座ってくれる子なんていないんですから」
しかし、平然とした顔で跳ね返される。
「そ、それは、そうだけど…だからって、いっつも同じ席で隣同士でいることはないよ!」
「私はこのままでも良いと思っていますよ?」
「……え?」
りんのこの返答には、貴志も驚いたようだ。
「だって、私は貴志くんのこと、『大好き』ですから!」
「……」
そう微笑まれれば、何も言えなくなってしまった。
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yuumin - 面白いですね。あと、D組だと一科生になりますよ。長文失礼しました。 (2022年8月5日 10時) (レス) @page32 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 白沢未海さん» 分かりました? チョッと要素入れてます^ ^ タグつけた方が良いですか? (2015年6月4日 15時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
白沢未海(プロフ) - ナビ・ルナ好きですか? (2015年6月4日 14時) (レス) id: 455b50df85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 一颯さん» 教えてくださって、ありがとうございます!全然気付かなくて…… (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 麻衣ちゃん、ありがとう!私も応援しています! (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目りん | 作成日時:2015年3月3日 15時