検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:2,427 hit

狼達の集い ページ26

「この前、また勢力が増えた事は皆も知ってると思う。」


ヒヨはレジスタンスの皆の前に立ってそう言った。

何人かが頷いた。

確かに今はその話で持ちきりだし、何が始まるのかと民衆も噂している。

小耳に挟むくらいは皆していた。


「私達も、その同盟に加わる事になった。」


どよめく。

エミの表情が少し曇る。

予想内だ、確かに他の…革命軍ではなくとも、

影響力のある、『得体の知れない派閥』に加わるのには抵抗があると重々承知していた。

しかしこれではヒトエに謝りもできない。

何よりあの老人の好きなようにはさせたくない。

…そしてそれで国がめちゃくちゃに出来れば、とも考えた。

いずれ戦争が起きるのは確定事項だ。

それに便乗しようかとも思ったが兵は多い方が良い。

同盟軍は化物じみた奴が沢山いる、心強い。



「異論は認めないからね、決定した事だ。」

「幹部とは話し合ったのですか?」

「否、私の独断だ。利用し、利用される。いいじゃないか、それで。

こちらも奴等に『降伏』の二文字を掲げさせる為に思う存分利用してやろうじゃないか。」


どこかから賛成の声が聞こえると皆も昂った声で叫ぶ。

狼の遠吠えが聞こえた。


「文句と、同盟軍の奴等に突っかかる、命令に背く。これをしたら噛み殺すからね。」


ヒヨは狼の姿になり走り去って行く同胞を見届けた。

エミがヒヨの元へと歩み寄る。

月はまだ、欠けている。


「…良かったの?ヒヨ。」

「何が?」

「同盟軍なんて…あいつらは。」

「ヒトエのためであり、私達のためだよ、エミ君。上手くいけばTruth endだね。」


ヒヨもエミも知っていた。

それがhappy endになることはないと。

世界の進行状況→←歪が這い寄る



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

龍巳@キチガイ - 【 】nanashiさん» こわっ、てめぇ夜道には気を付けろよこの神文才野郎 (2017年2月9日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
【 】nanashi(プロフ) - 寄越せ。文才寄越せください。 (2017年2月7日 22時) (レス) id: 1572cb3dd0 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜のお外だいしゅきさん» 減るわやめろ (2017年2月7日 18時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜のお外だいしゅき - なぜだ。なぜくれない。いいだろう別に。お前の文才はちょっとやそっとじゃあ減らないだろう (2017年2月5日 21時) (レス) id: 2500df9be3 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜の空気を吸い隊さん» 名前に笑った、そして嫌だ (2017年2月5日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2017年1月31日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。