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責任の重さ ページ24

彗人はしぶっていた。

ヴィクトーリアを危険な目に合わせられない。

嫌な汗が垂れる。


「彗人、同盟って?」


ヴィクトーリアは純粋な目で問う。

彗人は途端に笑顔になって答える。


「皆が集まって一つの目的を果たすんだ。」

「友達って事ね、楽しそう。」


彗人が聞き返す間もなくヴィクトーリアは車椅子を押して海の方へと向かう。

彗人は呆然としていた。

この選択が、選択肢が。

間違いなければ、と願い。

席を立った。


「ありがとうございます。」


海が微笑むと奥の部屋からゾロゾロと人が出てくる。


「やっほ、黒狐ちゃん。」

「輪廻さん!?」

「輪廻!?」


驚いた2人がまた驚く。

知り合いなの!?その声を煩わしそうに見る奈倉と微笑ましそうに見る津原が居た。


「ヒトエの馬鹿に借りたお金返さないと。」

「何やってるんです師匠…あのゴミにお金だなんて、七億までなら俺が出します。」

「相変わらず気持ち悪いね奈倉さん。」


直球な文香の言葉に海は苦笑いを零す。


「良かったの?シャルロッテ。」

「何が。」

「黒狐も輪廻さんも、まぁ私もだけど。」


ハーティンは今更な事を心配した顔で言う。


「暗殺者協会、抜けてきてさ。」


シャルロッテは「別に、あんなの拘束具でしかないよ。」と、

黒狐は「ヒトエの為だし。」と、

輪廻は「こっちの方が面白そうだから。」と。

これにはハーティンどころかその場にいた結構な者も呆れた。


「私的には、ここに文香が居ることが珍しすぎてさー。」

「まぁ、私あんまり家から出ないもんね…」


引き篭もって絵を描いている文香は皆から離れた所で座っている。

コミュニケーション能力が無いのだ。


「久しぶり、虚。」

「お前…インテラ?」


インテラと虚はそのまま話に花を咲かせる。

楽しそうだとこのままにしておきたいがそうもいかない。


「指揮は虚さんが、責任は俺が…」

「待って、」


津原が止める。

そして自分よりも頭一つ分大きい海の頭を掌いっぱいに撫でる。


「子供に責任なんて押し付けられるわけないでしょ?…大人が責任を取るわ。」


虚もそれに賛同するように頷く。


「でも、」

「言い出しっぺはそこの旅人さんじゃない。いいの、ここは甘えておきなさい。」


海は頷いて緊張していたのか泣き出してしまった。

大きな勢力が1つ、増える。

歪が這い寄る→←廃ビルの思惑



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龍巳@キチガイ - 【 】nanashiさん» こわっ、てめぇ夜道には気を付けろよこの神文才野郎 (2017年2月9日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
【 】nanashi(プロフ) - 寄越せ。文才寄越せください。 (2017年2月7日 22時) (レス) id: 1572cb3dd0 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜のお外だいしゅきさん» 減るわやめろ (2017年2月7日 18時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜のお外だいしゅき - なぜだ。なぜくれない。いいだろう別に。お前の文才はちょっとやそっとじゃあ減らないだろう (2017年2月5日 21時) (レス) id: 2500df9be3 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜の空気を吸い隊さん» 名前に笑った、そして嫌だ (2017年2月5日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2017年1月31日 16時

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