花言葉 ページ33
「彼岸花？」
殺風景な平原の中央に、場違いの様に咲き乱れる紫の曼珠沙華。
オロチ「いつか、お前が咲かせた花だ……」
「……嗚呼、あの時の……」
感情に呑み込まれ、暴発したAを傷付けずに静めたのは、他でもないオロチであった。
草は戦火に焼け、黒い土が露になっていたが、まるで嘲笑うかの様に色とりどりの彼岸花が彼方此方に咲いていた。
「あの時は……ありがとな。俺、やっぱオロチが居ねぇとダメだよなぁ」
いたたまれない気持ちを押さえ、わざと軽く笑って頭をかくA。
オロチ「……そりゃ俺だって同じだ」
「へっ？」
オロチ「お前の代わりに、あいつ＿琥珀が来てからも、ずっと何かが欠けている様な気がした……それに、お前は知らないだろうが、俺はずっと前からお前を助けて生きてきたんだ」
遠い、遠い昔から、ずっと＿
オロチ「だから、俺も、お前が居なきゃ生きていけない」
「……妖怪は死にゃしないだろ」
オロチ「それでも、いつもの様に笑って暮らせない」
「俺が近くに居たら、笑ってられるの？」
オロチははっきりとは答えず、ただ慈しむ様な笑みを向けるだけだった。
それでも、Aにはオロチの言いたいことがなんとなく解った気がした。
暫く二人で花畑を見つめる。
そして、オロチが彼岸花を一本折り、Aに問うた。
オロチ「なあ、曼珠沙華って毒があるの知ってたか？」
「ん？いや、知らなかった」
オロチ「……綺麗な華には毒があると言うが…………見た目が美しく、皆から一目置かれ、かといって自分に躊躇なく近寄る者に毒を盛る。……まるでお前の様だな」
花弁に軽く唇を付け、Aの目の前に近付ける。
「な、なんだよ」
オロチ「なあ、曼珠沙華の花言葉、しってるか？」
「知らねぇよ、そんなん……」
教えてやる、と笑う声が聴こえた。
『貴女だけを 想う』
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オシュアラヴァー - 次回から４巻目ですね。４巻目はどんなタイトルにします？ (2015年12月11日 3時) (携帯から) (
レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
浄羅河 ケイ - 私、八八神さんの文章、心地良いかんじがして好きです。活動、応援しています！ (2015年11月26日 23時) (レス) id: 29e97fc42f (このIDを非表示/違反報告)
オシュアラヴァー - 上下ヒョウガ@肩ぶっ壊れたﾜﾛｴﾅｲさん» 空きスペースが少なくなってきました。第三段もラストスパートですね。第四段か最終段階か、次回はどっちにします？ (2015年11月11日 1時) (携帯から) (レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
オシュアラヴァー - それは、作者であるヒョウガさん次第ですね。続きはこみゅーか、もなちゃとあたりでしませんか？ (2015年11月10日 2時) (携帯から) (レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
すうな@不登校になりたいロリショタコンです(プロフ) - オシュアラヴァー@本作の百鬼えんらのデビューはマシなようですさん» 私は作者さんに言ってるんですよ？※ここから作者さんへ 映画第二弾見に行くことになりました嬉しきかな。第一弾見てないのでひゃっほぅです！バスターズ、月兎組が出るそうですね！ひゃっほぅです！(二回目) (2015年11月7日 18時) (レス) id: 2ca1728b48 (このIDを非表示/違反報告)
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