絶叫 ページ23
_たすけて、おろち_
儚く脆い笑顔で、闇に浮かんだ少女はそう、唇を動かした。
「__!!!!」
突如、ぶわりとオロチの体が浮いた。
咄嗟に眼をつむり、耳を塞ぐ。
暫く経って、不気味な浮遊感が消えてなくなってからオロチはゆっくり眼を開けた。
暗い森の中に、あの少女と二人きり。
赤い眼をした少女は、儚げに、哀しげに笑っていた。
「オロチ…俺のこと覚えてるかな?」
オロチ「…」
こんなやつ、知っているわけがない。見たこともない。
そんな思考とは裏腹に、無意識に少女の名を呼んだ。
オロチ「……A…天宮、A………」
「…良かった、覚えててくれたんだぁ。まあ、忘れてても無理矢理思い出させたけどなあ」
へへ、と笑う少女に、自然と笑みが零れる。
オロチ「お前……なんで、いやそれよりも…此所は?」
「……此所は、俺の世界。俺の現世への未練と、ろくに生きられもしなかった自分への怒りの迷路」
彼女自身も、この迷路の出口を知らないと言う。
見渡せば、回りには奇妙な動植物が不気味に蠢いていた。
空を飛ぶ魚_
泳ぐ雀蜂_
木に巻き付き笑う花_
悲痛な叫びをあげる枯木_
「あとねぇ、オロチに言っておかなきゃならないことがあるんだ」
オロチ「なんだ…?」
ついとオロチに背を向け、震える声で彼女はこう言った。
「俺ねぇ、今度、平釜平原、潰しに行かなきゃならねーんだわ」
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オシュアラヴァー - 次回から4巻目ですね。4巻目はどんなタイトルにします? (2015年12月11日 3時) (携帯から) (レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
浄羅河 ケイ - 私、八八神さんの文章、心地良いかんじがして好きです。活動、応援しています! (2015年11月26日 23時) (レス) id: 29e97fc42f (このIDを非表示/違反報告)
オシュアラヴァー - 上下ヒョウガ@肩ぶっ壊れたワロエナイさん» 空きスペースが少なくなってきました。第三段もラストスパートですね。第四段か最終段階か、次回はどっちにします? (2015年11月11日 1時) (携帯から) (レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
オシュアラヴァー - それは、作者であるヒョウガさん次第ですね。続きはこみゅーか、もなちゃとあたりでしませんか? (2015年11月10日 2時) (携帯から) (レス) id: e1577d3122 (このIDを非表示/違反報告)
すうな@不登校になりたいロリショタコンです(プロフ) - オシュアラヴァー@本作の百鬼えんらのデビューはマシなようですさん» 私は作者さんに言ってるんですよ?※ここから作者さんへ 映画第二弾見に行くことになりました嬉しきかな。第一弾見てないのでひゃっほぅです!バスターズ、月兎組が出るそうですね!ひゃっほぅです!(二回目) (2015年11月7日 18時) (レス) id: 2ca1728b48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ