【七つの大罪】〜もう一つの大罪物語〜part5

154，*最悪の再会* ページ10

.


〜no side〜






幸か不幸か。




　互いに敵の立場として出会ってしまったAとメリオダス。






二人はお互い、目を見開いたまま見つめ合う。









ﾒﾘｵﾀﾞｽ｢A…これは、お前、が…やったのか？」






長い沈黙を破ったのは、信じられないという表情で言葉を紡ぐメリオダス。






　彼とて、こんなことを聞くのは嫌だった。






しかし今、ようやく出会えた、救出の対象でもある彼女の姿を見て、その言葉しか出なかったのだ。







本当は無事だったのか、怪我してないのか、彼女の身を案じる言葉を掛けたかった。



　しかし、Aの頬、握る剣に付着する真っ赤な血が嫌でも目に入り、その言葉は出せなかった。








メリオダスの問いに、Aはビクッと肩を揺らす。




　また彼女も、心境は最悪だった。






仲間に、ましてや今一番会いたくなかった彼に会ってしまった。






　そして自分の姿を見て、お前がやったのか、と。






愛する者からの疑惑の目。



　やっと、やっと出会えた。





なのに、彼女は今すぐこの場から消えてしまいたい。

　 そう願っていた。








＿＿＿＿嫌だよ…いや……




　 そんな目で…＿＿＿＿＿＿＿＿








見ないで。









Aは動くことができず、肩を震わすことしかできなかった。






ﾒﾘｵﾀﾞｽ｢A…」









メリオダスがそう呟き、一歩踏み出した。






　彼はそのままAの方へと歩き出す。









.









＿＿＿＿＿＿＿筈だった。









＿＿＿ﾄﾞｫﾝｯ…!









ﾒﾘｵﾀﾞｽ､貴｢｢！？｣」






.

155,*戻って*→←153，*ごめんなさい、団長*〜貴方side〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す