176,*愚者に隠された* ページ32
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貴「…オリヴィアには、好きな人がいるの…?」
紅茶を受け取り、ベッドに腰掛けるA。
オリヴィアは対面の椅子に座った。
オリヴィア「ええ…正しくは"いた"、です…。」
手をギュッと握り、更に眉を寄せたオリヴィアに、
Aは飲む口を止めた。
貴「いた…。」
オリヴィア「はい…
まず……
貴方にこの世界のことなどを説明した時、
ウィルは自分達はこの世界の住人、と言いましたね?
あれは嘘です。」
何てカミングアウト。
Aは危うくカップを落としそうになった。
オリヴィア「…虚実を述べたのは、確実に貴方を信用できるか、
数日の間に確かめたかったからです。
…私たちは元は、貴方達と同じ世界の住人です。
アシュ…ルークは魔神族。
エルメニは女神族。
ウィルとマティルダは普通の人間。
そして私は、妖精族です…。」
なんと。
祝の愚者は二人を除いて人間以外の種族だった。
今自分の目の前にいるのは妖精族の女性、
そう思うとAは何かと落ち着かなかった。
オリヴィア「私達がこの世界にいるのは、帰るべき場所がないから、です。」
貴「…!」
オリヴィア「元々祝の愚者は、そんな人間…
種族や村を追放された者が集まって結成された組織なんですよ。
ルークは魔神族でありながら血や争いを好まないということで。
エルメニは少し魔神族と会ったというだけで。
ウィルとマティルダは人を殺めてしまったことで。
そして私は、異種族との交際が知られ…。
私の恋人は、私の目の前で、妖精王に…!」
過去を思い出したのか、オリヴィアの瞳から涙が流れる。
カップをテーブルに戻したAは、オリヴィアの隣に行き、
彼女の震える背中に手を添えた。
オリヴィア「でも、種族を追放され、見捨てられた私達を…
ルークが見つけて、一緒に行こう、と言ってくれたんです。
彼も種族を追放され、辛かった筈なのに…。
三人も私も勿論、頷きました。
そして彼に忠誠を誓い、彼のために生き、彼と共に己の罪を
そういう意味を込めて、
フェア・ベサイラーが結成されたんです。」
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変なとこで切りますスイマセン!
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紫芋(プロフ) - ナナさん» コメント有難うございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです!あれ?涙が…… どうぞこれからも宜しくお願いします! (2017年12月31日 18時) (レス) id: 19cb37bfcb (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 続編おめでとう!Part1から見てるけど面白さが尽きない!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 14時) (レス) id: 55d3e49f96 (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - 早苗さん» ありがとうございます!最近学校行事で、色々と忙しくなってしまっていて… 亀更新ですが、どうぞこれからもよろしくお願いします! (2016年11月9日 23時) (レス) id: 262404c03e (このIDを非表示/違反報告)
早苗(プロフ) - おめでとうございます! 続き楽しみにしてます (2016年11月9日 1時) (レス) id: d2df675d35 (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - ARISU☆さん» ありがとうございます!^^ 亀更新になるかもしれませんが、頑張ります! 期待してくださるなんて…! 凄く嬉しいです! (2016年10月3日 20時) (レス) id: 262404c03e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫芋 | 作成日時:2016年8月20日 23時