265,それ一つで終わる命 ページ37
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その日零は相澤の家に泊まることに
着替え等はミッドナイトが彼女の家から持ってきてくれた
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濡れた喪服を脱ぎ、湯船に浸かる零
暖かいお湯が冷えた体にじん…と染み渡る
この家に来たのは何年ぶりだろう、とぼんやりと零は思う
初めて来た時は風呂に入る気力もなく、ただ与えられた部屋のベッドで蹲っていた
しかし相澤は合理的じゃないと言い、
彼女の服を引っペがして風呂に入れた
今思えば10にも満たない子供の服を剥ぎ取り、
無理やり風呂に入れさせた事こそ合理的でないのではないか、
と感じるものだ
勿論零がその事をミッドナイトに報告すれば相澤はシバかれたわけだが
殴られた頬がジンジンと痛む零
口の中の鉄の味は消えない
恐らく切れているだろう
僅かにじわりと滲んだ瞳
しかし零はばしゃっとお湯を顔に掛け、
目を擦った
母が死んでしまった時も泣いた
×××が死んでしまった時にも泣いた
なのに、百合が死んで泣けない
＿＿＿＿＿いや、本当は泣きたいだろう
でも、泣けない、泣かない
彼女の中で何かがストッパーを掛けている
泣いてはダメだ、と
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脱衣所で少し大きめの白無地Tシャツと黒の短パンに着替える
零はふと、洗面台にポツン、と置かれていた物を見た
＿＿＿＿＿カミソリ
光の無い虚ろな目でカミソリを見つめ、
それを手に取る零
彼女はふと、ユウキの読んでいた本の内容を思い出した
とあるワンシーン
家族も、友人も、何もかも奪われた少女が
小さなカミソリで、手首を掻き切っていた
何故今、こんな事を、あのシーンを思い出したのだろう
彼女自身にもよく分からない
しかし思う
＿＿＿＿こんな小さなもので、
簡単に、呆気なく、
人生を終わらせる事も出来るのだ、と
だが彼女は、その漫画の中の少女とは違う
零はカミソリを見つめた後、
コトリ…と元の場所に置き戻した
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紫芋(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます(*^^*) 亀更新ですいません！頑張りますね！ (2020年1月23日 2時) (
レス) id: 19cb37bfcb (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - とっても面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年1月7日 12時) (レス) id: 70ff6c69f2 (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - mayumiさん» 零ちゃんのペアはびっくり…！？そして対戦相手も…！4期楽しみですね！頑張ります！ (2018年11月11日 18時) (レス) id: e8d3e7c39a (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - 連さん» 有難うございます！頑張ります！ (2018年11月11日 18時) (レス) id: e8d3e7c39a (このIDを非表示/違反報告)
連 - 更新待ってました！ これからも頑張ってください (2018年10月22日 7時) (レス) id: a3561912ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫芋 | 作成日時：2018年8月8日 0時
