208,*気付いたときには* ページ19
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__________三日後、望月
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団々たる月が照らす夜
辺りを照らす月よりも明るく、喧騒としている場所があった
________鳳凰族の村
イザナミの住まう場所だった
村のいたるところで轟々と炎が燃え上がり、大勢の悲鳴と怒号が飛び交っていた
「クソ…!魔神族め!
夜襲を仕掛けてくるとは…!
イザナミ!イザナミは何処へ行った!!
今がヤツの使いどきだろう!
魔神族を滅殺する時の!」
長である男がイザナミの名を叫び続け、吠える
しかしそれに応える本人は居ない
既に、村には居ないのだ
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イザナミ「……、」
炎と喧騒に包まれた村を見下ろし、イザナミは手を胸にやった
自分に良くしてくれた、心優しい者には嘘の情報を流し、村から離れてもらった
従者である自身の守護石には、無理を言って別世界への入口を開いてもらっている
一部の人間だけ助けるという卑劣で冷酷な考えをしているだろう
それでも、悔いはない
僅かに痛む良心を奥底に仕舞い込み、イザナミは約束の場所へと足を進めた
その場所へ辿り着けば、アシュレイは既に居た
俯いており表情は読めない
イザナミ「アシュレイ…!
先に来てたんだな
私も上手く抜け出せたよ
従者には、準備してもらってる
もうすぐ終わると思うが…」
アシュレイ「イザナミ」
アシュレイと会う度にイザナミの心は高ぶる
眉を下げながらも、嬉々とした表情で口を開くイザナミの言葉をアシュレイは遮った
いつもよりワントーン低めの声音に、違和感を感じイザナミは顔を顰める
イザナミ「アシュレイ…?」
何かに耐えるような、苦しそうな声
そんな声にイザナミは困惑し、紡いだ言葉にアシュレイはゆっくりと顔を上げる
その顔は、今にも泣き出しそうな顔だった
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アシュレイ「……お前一人で行け」
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_________気付いたときには
もう遅かったのだ________
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理音(プロフ) - 夢主とくっつけて欲しいです!更新楽しみにしています! (2月26日 12時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - らむねさん» コメントありがとうございます^^* やっぱりメリオダスオチですかね…!となると設定上、混沌の話を除外することになります…ご了承ください…! (2021年7月9日 0時) (レス) id: 19cb37bfcb (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - メリオダスと夢主をくっつけてほしいです!! (2021年7月8日 7時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
水月(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて続きが楽しみです!更新楽しみにしてます!!応援してます! (2018年9月2日 4時) (レス) id: 5aa5e3d00a (このIDを非表示/違反報告)
七つの大罪大好き女子中学生 - 続きがとても楽しみです。帰ってくるのを楽しみに待ってます。これからも応援してます!o(*^▽^*)o頑張ってください! (2018年6月29日 0時) (レス) id: 66856aba47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫芋 | 作成日時:2017年12月31日 18時