335. 感情の名前は ページ35
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『＿＿＿＿手をグーにして突き出して』
Aに連れられて訓練場へと辿り着いた燈矢に、いきなり投げられた謎の指示。
道中は体力づくりだと言う彼女に全力の山道ランニングを強要されていたため、あの晩の話もこれからの話もまだろくに出来てはいない。
言いたい事はまだ色々とあるのだが、両手を膝の上に置き、ゼイゼイと息を切らす燈矢にはしばらく言葉を紡げそうになかったため、大人しくAの命令に応じた。
すると、差し出した右手の拳に、Aが自分の左の拳をトンと突き合わせてくる。
これはいったい何の真似だろうと燈矢が顔を上げてみれば、Aは何をするでもなく目を閉じて風に吹かれている。
その行動の目的が分からず、自分も何かするべきなのかと疑問を浮かべる燈矢に『そのまま』と制止の声がかかった。
『何もしなくていい。私は少し集中するから、燈矢は静かに。落ち着いて呼吸を繰り返して』
微妙に難易度の高い注文だ。
燈矢は深い呼吸を数回繰り返すと、丸めていた背を伸ばして徐々に息を整えた。
いくらか落ち着いたところで、完全に口を閉ざしてしまった少女の様子をちらりと窺う。
病み上がりのくせに、自分と同じペースで走っておきながら、彼女が何故息の一つも乱さずにいられるのかが不思議でならない。
その身のこなしの軽やかさも、何を考えているのか読めない無表情も、常識はずれなこの容姿も、改めて見ると、何もかもが非現実的だ。
どちらかと言えば青白い白さを持つAの肌は白磁のようで、桜色の薄い唇がその身体に確かに赤い血が流れている事を証明していなければ、芸術品か何かと勘違いしてしまいそうな無機質な雰囲気を纏っている。
閉じられた瞼を縁取る睫毛の色素は薄く、それが白い肌に淡く長い陰影を落とし、涼やかな美貌を引き立てている。
気が付けば燈矢は、何気なく観察し始めた少女から目が離せなくなっていた。
冷を母に持つ燈矢は、美人と呼ばれる類の人間は見慣れている。
顔は母親似だと言われる事の多い彼自身もまた、その美形因子を濃く受け継いでおり、自分の見た目が整っている事も事実として認識していた。
だってそうでなければ、話したこともない他クラスや他学年の女の子達に一方的に名前を知られていたり、自分の事を好きらしいなどという噂話が流れてくる事はないだろうから。
けれど、目の前に立つこの少女の有する美しさは、自分たちのそれとは分類から異なっているような気さえした。
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メケメケ(プロフ) - ねねさん» ねねさ〜〜ん！！ありがとうございます！何かしらお力になれてるだなんて嬉しいです！なるべく早く書き始められるよう、やるべき課題をちゃっちゃと片付けて来ますね！笑 (1月25日 23時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - めろさん» NARUTO履修者、意外と少ない気がしていたので嬉しいです！！🤝 NARUTOとヒロアカは最高ですよね！！じっくり丁寧に書いてるので、確かに原作軸までまだまだ遠そうです笑 ありがとうございます！続きも頑張ります〜！ (1月25日 23時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 7章完結おめでとうございます！！！こちらこそメケメケさんのおかげで学校でも頑張れています！！早く見たすぎて衝動が出てしまうのですが…笑これからも応援させていただきます！！ (1月25日 17時) (レス) @page50 id: 85be73129f (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - NARUTOもヒロアカも大好きな私には美味しすぎる作品でゆっくり読むつもりが一気に読んじゃいました🥹！！！！！！続きも楽しみにしてます！！！！！原作軸に行くまでまだまだ長そうですが一生着いていきます🤝🏻！ (1月25日 4時) (レス) id: a428350e37 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 嬉しかったしお陰で更新頑張れました！�┥呂砲發爾劼爾劼�付き合いください！😊 (1月22日 23時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2024年1月5日 14時
