狭間に生きるモノたち参【ars 妖怪】 (ページ6)

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｢生きてる？｣

『ギリギリだな』

少し焦げた臭い。

確か蛙って鶏肉みたいな味がするって
テレビで言ってたっけ。

『まあ、妖力はだいぶん落ちてる。
暫く襲ってくることないだろーな』

｢元気になったらまた襲いに来るかな？｣

『さあな!馬鹿だったら来るだろ!』

雷獣くんが笑った。

それにつられて、私も笑った。

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｢ところで、雷獣はなんで上から落ちてきたの？｣

『友達と喧嘩してな。
取っ組み合いになったときに弾みで落ちちまったんだ』

｢もしかして、さっきの雨って…｣

『多分、友達の仕業』

｢仲直りしてきたら？｣

『…うん。ありがとうな』

｢こちらこそ、ありがと｣

『お前、名前は？』

｢Aだよ｣

『覚えといてやる!!』

｢そりゃどうも(笑)｣

雷獣くんが大きな木の近くでピタッと止まった。

『じゃ、帰る!!』

｢気をつけてね｣

『お前もな!!』

ふわり

ふわり

雷獣くんは優雅に空へ帰って行った。

私はその姿が見えなくなるまで手を振って

皆に今日の出来事を話すために、走って家に帰る。

大きな虹を背に。