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潤「さ、行こうか」
潤が背中に乗れと目で言うから
急いで潤に飛びつく。
潤「……大分キレてた」
「え？」
大きくジャンプをして、小屋の前に立つと
潤はゆっくり、太い枝の上に私を降ろしてくれた。
潤「あの人さ、俺でもたまに怖くなるときがあんだよ」
そして、小屋のドアを開ける。
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鉄くさい、あの臭い。
地の底からきこえてくるような
低い、呻き声。
床は
紅と黒に染まっていた。
そんな歪な空間の真ん中に
智は、私たちに背を向けて立ってる。
「さ、とし」
ゆっくり。
智が振り返る。
あ。
顔に血が飛んでる。
潤「ハデにやったね」
智「……うん」
潤「で。術かけたのはソイツ？」
智「うん」
黄金色の光は、智が足で押さえつけてるヤツに繋がってる。
額にバツマークの傷痕がある烏天狗。
潤が鼻で、ふって笑って
烏天狗と目を合わせるようにしゃがみこむ。
潤「お前、名前は？」
『……』
烏天狗は身を捩って潤の視線から逃げて
私と、目があった。
眼が
あった。
烏天狗の、眼が、光ってる？
青紫色の光が、グネグネ
曲がって、歪んで、捻って、混ざって、
あれ？
アレ？
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その刹那
ほっぺたに、ヒリヒリとした痛みが走った。
「あ、れ？私、いま」
智「ぶってゴメンね？」
智の眉がきゅぅうう、と下がる。
なんか、かわいい。
潤「よく俺らの前で術かけてバレないと思ったな。お前」
潤が妖刀を抜いた。
小屋の隙間から差し込む月光に照らされ
刃が鈍く光り、烏天狗の胸元に当てられる。
潤「罪に、同等の罰を」
濃い紫のドロドロとしたモノが
刃を取り巻いて
潤は、そのまま
刃を烏天狗の胸に突き刺した。
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作者名：じぇりー x他1人 | 作成日時：2015年3月6日 15時
