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四十六話「鞠の童子」 ページ6

紅葉side

……結局、朱紗丸はぐちゃぐちゃと肉を潰され続け僅かな肉片しか残らなかった。
向こうの方に禰豆子ちゃん達がいたが、肝心の禰豆子ちゃんは何故かうとうとしていた。
その原因が気になったが、こんな酷い光景を見せることが無くて結果的には良かったのかもしれない。

赤黒く染まった肌に、内蔵をひっくり返される様な不快な気配……。
これが、鬼灯様の言っていた"呪い"……。
珠世さんが説明していたが、彼は事前に調べていたようだ。
鬼である限り永遠にその身を食われる呪い。

珠世さんと愈史郎君は無惨の呪いを外しているというけど……こりゃまた鬼灯様の仕事が増えるなぁ…。
現世のことはある程度見ることが出来るとはいえ、そう易々と見られる程今の地獄は暇じゃない。

だから、現世の地形をある程度知っていてそれでいて戦闘力が私が行ったって訳何だけども…。

だからこそ、だ。

『…竃門君、もういいよありがとう。
降ろして』

「…はい。
どういたしまして」

一応竃門君に支えられながら、そろそろと彼の背中を降りる。
すると、無事だったらしい愈史郎君が此方に走って来ているのが見えた。
…何か怒ってる様に見えるのは気の所為?
曰く、珠世さんの血鬼術は吸い込むと人体には害があるという。
一応私は人間では無いが、念の為だという。

珠「…炭治郎さん、紅葉さん。この方は、十二鬼月ではありません。
十二鬼月は、眼球に数字が刻まれていますがこの方には無い。
恐らくもう一方も、十二鬼月では無いでしょう。
…"弱すぎる"」

…やはりか。
初見では無いけど、私はどこか確信があった。
竃門君は驚いていたけど。
確かに二人の血鬼術は厄介だったけど、そう特筆すべき所も無かった。

珠世さんは朱紗丸の辛うじて残った腕から血を取ると、禰豆子ちゃんを見ると言った。
…あ、そっか人体程影響は出ないとはいえやっぱり眠くなるんだ……。
壁に寄りかかってすやすや眠る彼女を見やる。

良かった。
見た感じあまり傷は無さそうで、思わず安堵した。

愈史郎君は慌てたように珠世さんを追い掛けていったので、竃門君と私が残された。
ふと、声が聞こえた気がした。

朱「ま…り……」

朱紗丸だった。
掠れているが、しっかりと聞こえた。
竃門君が傍に置いた鞠に反応したのか否や、まるで幼子の様に呟いた。

朱「あそ…ぼ……あ、そぼ……」

その声は、鞠で楽しく遊ぶ少女の物だった。
私は

『…ごめんね』

と、一言だけ呟いた。

四十七話「鞠と母」→←四十五話「呪い」



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ハルサ(プロフ) - 初めまして!読んで頂きありがとうございました!そうですね、まだ読まれてない方もいますし…私が浅はかでした、ありがとうございますm(_ _)m (2020年4月14日 17時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - ハルサさん初めましてmayumiです。【鬼滅の刃】獄卒珍道中【弐】での息抜き読ませて貰いました!本誌の方・・・ネタバレにもなりますがまだおばみつが●んだという描写まだはっきりしていません!あまり読まれていない人もいるので控えた方がいいと思います。 (2020年4月14日 15時) (レス) id: cebdef8e2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年4月7日 13時

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