五十二話「鼓の屋敷」 ページ12
紅葉side
その後、また色々あったものの我妻君は何とか落ち着いた。
因みにお腹が空いても食べる物が無かったらしいけど、竃門君が自分の分のおにぎりを分け与えてた。
ここでも出る長男力……。
けど、竃門君の分のおにぎりはそれで最後らしかった。
そのまま食べ進めるかと思いきや、我妻君は竃門君に分けて貰ったおにぎりを半分に分けて彼に返していた。
確かにうるさいはうるさいけど……彼はとても優しい子だと思った。
少し集中すれば、雨上がりの青空の様な柔らかな気配を簡単に感じ取ることが出来た。
因みにそれだけでは足りないだろうと、懐から私お手製の干物を出したら何故か我妻君には叫ばれてしまった。
…何故に？地獄火蜥蜴の干物、美味しいのに……←
鴉からの話によると、竃門君と我妻君の二人は合同の任務らしい。
当たり前だけど喋る鴉に我妻くんはまた騒いでいた。
…喉痛くなんないのかな？←
さっきの開放的な田んぼ道とは打って変わって、鬱蒼とした森の中を歩く。
任務の場所が近いのだろう、仄かに禍々しい気配が漂ってくる。
光があまり届かない森の中に、三人分の息遣いと足音、それと我妻君の涙まじりの声が響く。
因みに私は我妻君の逃走防止に彼の後ろに控えている。
ふと、遠くにポツンと建物が立っていた。
『何だあれ…屋敷？』
森の開けた場所に、割と立派なお屋敷が立っていた。
でも、その割には使用人らしき人は少しも見当たらないしここだけ木が生えていないのも妙だ。
それに、この屋敷から鬼の気配が漂ってきている。
炭「血の匂いがする…でも、この匂いは？」
『うん…禍々しい気配がする。
でも……何か変な気配が…』
炭「嗅いだことの無い匂いだ…」
各々が自分の能力で鬼を探る中、我妻君は何かを聞き取るようにして自身の耳に手を当てていた。
善「え、何か匂いと気配…する？
それより、何か音がしないか？
後、俺達やっぱ共同で作業するのか？」
様子を見る限り、どうやら嘘では無さそうだ。
なるほど…竃門君が匂い、我妻君が音、そして私が気配……と。
中々個性的な面々が集まったわね…自分で言うのも何だけど。
……ん？
ふと、屋敷の中では無く後ろの森の方に気配を感じ取った。
鬼は日中は活動出来ないって聞くし……あ、二人いる。
子供か…？
『…竃門君、あの子達』
炭「ん？…あっ」
私が指さした先には、まだ幼い兄妹らしき二人が身を寄せあって怯えた様にその身を震わせていた。
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ハルサ(プロフ) - 初めまして！読んで頂きありがとうございました！そうですね、まだ読まれてない方もいますし…私が浅はかでした、ありがとうございますm(_ _)m (2020年4月14日 17時) (
レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - ハルサさん初めましてmayumiです。【鬼滅の刃】獄卒珍道中【弐】での息抜き読ませて貰いました！本誌の方・・・ネタバレにもなりますがまだおばみつが●んだという描写まだはっきりしていません！あまり読まれていない人もいるので控えた方がいいと思います。 (2020年4月14日 15時) (レス) id: cebdef8e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルサ | 作成日時：2020年4月7日 13時
