【鬼滅の刃×twst】僕に近付かないでおくれ。伍【過去編】

地獄はまだまだ終わらない。 ページ10

side無し

『さて、これで終わり……と言いたいところではあるが、今までの語りはただの前菜。
言葉通りの予備知識にしか過ぎない。
──オルト！起動を頼めるかい？』

オ｢はいはーい！キョウカさん！｣

ぴょこっ！と舞台裏からオルトが出てくる。
どうやら今回の設備はシュラウド兄弟が用意した物らしい。
舞台裏ではイデアがオルト頑張れ！と運動会の保護者のような事をしていた。

オ｢さっき話したのも、これから写す映像……キョウカさんの過去も、全部嘘偽りの無い物だよ！嘘だと思う人は僕に注目してね！僕には嘘発見器が搭載されてるから、すぐにバレるよ！後、この魔道具のスクリーンは全部を写し終わるまで停止しないから、皆気を付けてね！｣

なんて要らん事を。
とほとんどの生徒が顔を覆った。
誰が好き好んであんな闇が深すぎる話を映像化して見るか。
両親の仇！！(打ち切り)どころか持ち込んだ時点で門前払い＆出禁である。

しかし、泣こうが喚こうが叫ぼうがスクリーンは順調に稼働している。

そして、オルトの他に───RSAの制服を着た男女──そう、煉獄達が現れた。
突然のライバル校の登場に一部がザワつくが、鏡花の一喝によりシン…と静まり返る。
皆が皆、彼女に寄り添うようにして壇上に立った。
そのうちの一人、煉獄は……一等鏡花に寄り添うようにして隣に立った。

グルリ、と晴れやかな表情で既に一部が阿鼻叫喚と化している体育館内を見渡す煉獄。

しかし、その顔は確かに怒りを孕んでいるように見えた。
よく見れば他の者も胡蝶や甘露寺を除いて皆真顔であるし、不死川に至っては始まる前から日輪刀を抜こうし悲鳴嶼に力尽くで抑えられていた。

次いで現れたのは、炭治郎達。
いずれも煉獄達と同じように、鏡花の傍に寄り添った。

『ここからは私の口からでは無く、このスクリーンに流れる映像を見てもらう形になる。
正真正銘、私の過去だ』

スクリーン型の記憶映写機。
対象の過去の記憶を写し、視覚化する魔道具。
このスクリーンに流す魔力や、吐瀉物が勝手に消える魔法など結構魔力を使うものが多いのだが教師陣が総出で取り掛かっていた。


鏡花の花緑青の瞳に、もう迷いは無かった。

鬼狩り物語、これより開幕。→←まだ続く。

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