前途多難な耳飾り。 ページ31
side無し
さて、そんな訳で始まった耳飾り作り。
子供の自分でも作れる簡単なものを選んだつもりなのだが……これが意外と中々に難航した。
シンプルなものだと思っていたのだが、これが中々に難しい。
シュルルッ
響｢あ"っ｣
現に今も、四苦八苦しながら結んでいた菊結びの結び目が端から解けて元の赤い紐に戻ってしまった。
つまるところ最初からやり直しである。
これで何回目だろうか、中々に難しい。
一筋縄では行かなそうである。
響｢む〜…｣
にゅんっと突き出した唇の上に筆を置いて不貞腐れた表情を浮かべる響。
折角意気揚々と作り始めたのに、すっかり出鼻をくじかれてしまった。
まさか耳飾りを作るのがこんなに難しいとは。
響｢んぅ……｣
目を半目にし、太眉をキュッと顰める。
その顔は年相応のものだった。
…そういえば、やけに上から目線な使用人が声高々に語っていた気がする。
────大切な人に贈り物をする時は、相手の喜ぶ顔を想像すると良いですよ！
響｢喜ぶ、顔……｣
使用人の自慢は華麗に右から左へ受け流し、その時に聞いたそれを静かに口の中で反芻する。
大切な人と聞いて真っ先に思い浮かぶのは鏡花の顔だ。
喜ぶ顔、か……。
────わぁ、これを私に？嬉しいな！ありがとう響！！
完全なる想像だが、それでも笑顔になって欲しかった。
響｢……ふふっ｣
鏡花の嬉しそうな顔を想像すれば、途端に笑みが零れてきた。
何だか腹の底から気力が湧いてきた気がする。
せめて彼女の儚い笑顔が、失われる事が無いように。
『よしっ、もっかい頑張るぞ！』
彼女には、ずっとずっと────笑っていて欲しかったから。
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ルカ(プロフ) - りあてゃんさん» コメントありがとうございます！てぇてぇ姉弟…。響くんは圧倒的に鏡花ちゃん子なのに使用人と親共に未来は無い(殺意) (2021年2月23日 10時) (
レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
りあてゃん - んあ”ぁぁぁ.....響くん良い子！鏡花ちゃんに似てめっちゃ良い子！！もう使用人とか親とかは全力で滅んでくれ、お前らは二人の幸せを邪魔する存在でしかない(( (2021年2月21日 11時) (レス) id: 15f52de452 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます！この家はクソ野郎しかいない……(おい)いつもありがとうございます！ (2021年2月17日 22時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 立場を利用してキョウカをいじめる使用人が何よりもムカつきます。旦那サマがやってることは決して良いことではないけど、使用人のやってることはそれ以前に卑怯だと思うんです。 (2021年2月17日 18時) (レス) id: 7c7117969d (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - あなたさん» ありがとうございます！お待たせしてすみません！これからも読んでくれると嬉しいです！！ (2021年2月17日 7時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルカ | 作成日時：2021年1月31日 23時
