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太陽の罪。 ページ47

side無し

?「…さて、鏡花さん」

『むん?』

尚も喚くユウを少しも気に留めず、改めて鏡花と向き合う赫灼の少年。
赫灼の瞳と花緑青の瞳が、静かにかち合う。
日を映したような朱い瞳が、水を湛えたようにユラりと揺れたのを彼女は見逃さなかった。

『…!』

しかし、それを指摘する前に少年が口を開いてしまった為結局言えずじまいになってしまった。

?「いいですか?今から俺は貴方に凄く辛いお願いをしなければなりません。
それはとても痛くて悲しい……勿論断ってくれても、なんなら引っ掻いてくれても全然構いません。
でも、それでも…。
…。……!」

クイッ

俯きかけた少年の袖を引っ張った鏡花は、にっこりと笑った。
まるで安心させるように、『大丈夫』と言うように。
キョトン、とした赫灼の瞳が次の瞬間ゆぅるりと細まる。

?「……ありがとうございます、鏡花さん」

カ「炭治郎…」

不安そうに銅貨を握り締めるカナヲに、炭治郎と呼ばれた少年が優しく微笑む。
安心させるようその笑みは、先程の鏡花の笑みとよく似ていた。

閑話休題

鏡花の同意を経て、炭治郎は彼女を後ろからしゃがんだ姿勢のまま抱き締めた。

炭「良いですか?鏡花さん。
俺の合図に合わせて、手を陽の光の方へ突き出してください。
貴方が良ければ何秒でも構いませんが……ただ、俺の合図があった場合は即座に手を引っ込めてください。

……分かりましたか?」

『む!』コクコク

「では、行きますよ…」と呟いた炭治郎に従い、彼の手の上に腕を乗せた。
陽の光はもう目と鼻の先だ。


炭「突き出してッ!!」

『ッ!!』

張り上げられた声。
それに引っ張られるようにして、勢いよく手を陽の光の方へ突き出した。


────ジュウ、と肉の焼ける音と匂いが漂う。

リ「ッ…」

カ「……マジかよ」

各々顔を青くさせる。
全員鬼が陽の光を嫌うのは知っていたが、こんなにも酷く焼かれていくなんて流石に知らなかったのだ。
ビク、と痛みに強ばる小さな身体を炭治郎が固く抱き締める。

まだだ、まだだ。


キュウ、と瞳孔が微かに細くなって─────、


炭「今です!!引っ込めてくださいッ!!」

『むぅッ!!』

勢いよく手を引っ込め、身体ごと後ろに尻もちをつく。
大分長く陽の光に晒していた。


その証拠に、肩から先とはいかないものの───肘から先が焼かれ、中身の消えた袖がブラブラと揺れていた。


炭「…分かりましたか?ユウさん。


鬼は、鏡花さんは……陽の光を浴びるとこうなるんですよ」

イラスト紹介!!☆→←六人の少年少女達。



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ルカ(プロフ) - ありがとうございます!えーと、そこのセリフは保健医のカエデさんの物ですね!分かりにくくてすいません……。努力します! (2021年1月20日 23時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - (三個纏めて返信させていただきます)コメントありがとうございます!監督生に対するヘイトが着々と溜まっていく……。続編もお楽しみに! (2021年1月20日 23時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 続編気になる!!!!あとマジカヨと喋ってるカの人って誰ですかね?理解力なくてすみません! (2021年1月20日 21時) (レス) id: aa5c7547c4 (このIDを非表示/違反報告)
あなた - 続編下書き中?!?!楽しみすぎて夜しか寝れない() (2021年1月20日 17時) (レス) id: 4a8e7e8068 (このIDを非表示/違反報告)
りあてゃん@ゆりにゃ様 - 太陽一生呪うって決めました() (2021年1月20日 13時) (レス) id: 081598112e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルカ | 作成日時:2021年1月4日 22時

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