【鬼滅の刃×twst】僕に近付かないでおくれ。弐

暴走の代償。 ページ19

夢主side

鬼｢ぐる…グガアアァアッ！！｣

再び飛びかかる鬼。

しかし、今度は切り落とす事はせず……鬼の片腕を掴み、根元を狙って膝蹴りをした。
それも、骨を折るものでは無く……文字通り、肉を断つもの。
グチャリと肉の潰れる音がし、膝蹴りをした鬼の腕が吹っ飛んだ。

鬼｢グルッアアァァッ？！｣

根元から抉り取られた腕を抑え、悶絶する鬼の胸を蹴り倒しその上に馬乗りになった。
スッ……と刀の柄を両手で掴んで切っ先を下に向けた。
ギシ、と力を入れすぎた刀の柄が揺れる。

『────死ね』


───そこからはもう、一方的な蹂躙だった。

起き上がろうとした足を潰し、切り裂こうとしてきた腕を潰し。
痛みに声を上げる暇も与えず、鬼を滅多刺しにし続けた。

目、口、耳、頭。
腕、肩、胸、腹。
腰、足、爪。


首、頸、くび、クビ。

───ァハ、もっと殺そ───、

リ｢キョウカッ！！｣

『────！』ﾊｯ

不意に、意識が引き戻される。
気付けば私は、後ろからリリアに羽交い締めされて尻もちをついていた。
──もう鬼は、物言わぬ肉塊に成り果てていた。

音が消え、シーンとした食堂に再び音が戻ってくる。

しかし、鬼を知らぬ者らにとっては───鬼の返り血より全身が真っ赤に染まった私などただの犯罪者でしか無かったのだ。
｢人殺し｣｢犯罪者｣などといった声が周りからぽつりぽつりと聞こえてくる。

───ポチャリ、と顎から滴り落ちた返り血が足元の血溜まりに波紋を作った。

『───……』

リ｢キョウカ…？どこに、｣

リリアの拘束を緩く解き、静かに立ち上がる。

向かう先は、そう──鬼を召喚したクソ野郎だ。
クソ野郎はみっともなく尻もちをつき、怯えたように口をパクパクと開閉させていた。
──おもむろに、そいつの胸ぐらを掴み持ち上げる。

｢グッ…？！く、何、を……っ｣

『……お前は今、自分が一体何をしたのか分かってるのか？』

｢……はぁ？｣

心底意味が分からないという顔をするクソ野郎に、乱暴に舌打ちを叩き付ける。
溢れ出る激情が赴くさまに、空いた片手でそいつの頬を思いっ切り殴り付けた。

｢ガ……ッ？！｣

歯が折れたらしく、カツンカツーンと乾いた音を立てて弾け飛んだ歯が床に落ちた。
ダラ…とそいつの口から血が垂れる。
ふわ……とそいつの爪先が浮く。

『悔い改めろ──クズが』

鬼殺し、人殺し。→←邪魔な外野。

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