足手纏い。 ページ17
夢主side
黒くて丸い瞳が、驚愕に見開かれる。
次いでウルリと涙を目の端に貯めるユウ。
……嗚呼、めんどくさい。
あれだけ言ったのに、まだ助太刀という名の妨害をするつもりらしい、彼女は。
実際こんな状況だというのに、攻撃的な視線がグサグサと四方八方から突き刺さる。
いつまで悲劇のお姫様の顔をしているのだろう、彼女は。
鬼「肉…ニグウウゥウッ!!」
両腕を再生させた鬼がみっともなく吠えながら飛びかかって来る。
明らかに無駄が多い稚拙な動き。
柱の私にとっては取るに足らない雑魚だが……そんな雑魚でも、人を数人食った気配がする。
こいつも何の罪もない人達の命を奪ったかと思うと、酷く腹が立つ。
だからこそ───今ここで、やらなければならない。
膝を曲げ、垂直に蹴り上げればくの字に曲がる身体。
天井近くまで飛び上がった鬼を見届け、ダンッと勢いよく床を蹴り己も高く跳躍した。
蹴り上げた鬼の腕を両手で掴み──その勢いのまま、魚をひっくり返すが如くほぼ垂直に鬼を机の上に叩き付けた。
バアアァアァンッ!!!!
鬼「ガッ…ア"……ッ」
内臓かどこかの器官をやったらしく、ガハッと鬼が血を吐く。
……弱いな。
気配を感じ取った時はどうなる事やらと思ったが、容易く鎮静化出来そうだ。
……だが、しかし。
ガツ、と鬼の頭にコップが直撃する。
『……は?』
横を見ると、案の定ユウだった。
ユ「鏡花さんから離れて!!」
『馬鹿っ、そんなことしたら……!』
本人的には私を守る為の行動らしいが……それが今、確実に火に油を注いでいる。
ギョロリ、紅い目が殺意を湛えてユウを睨む。
「ヒッ」と引き攣った声が上がる。
エ「避けろ!!」
ユ「……あ、」
ヌロリ、起き上がった鬼が影で覆うようにしてユウを見下ろす。
鬼の片腕の肉がボコボコと脈動し、鋭いカミソリのような刃へと姿を変えたのを視界の端に捉えた時……私の行動は早かった。
……ああクソッ!!
『……ッ!!』
ユ「…え?」
咄嗟に片腕を振り上げた鬼と固まったユウの間に割り込み、斬撃を肩に受ける。
血飛沫が迸り、周囲から悲鳴が上がる。
最終決戦の袈裟斬り程では無いが、それでも肉を抉るのには十分だったらしく肩が熱を持ったように熱くなった。
ユ「鏡花さん!!」
『……』
…めんどくさいなぁ、騒ぐなら下がってろっつてんだよ。
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ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» 許可ありがとうございます! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
結色緋月@ラムネちゃんセコム(プロフ) - 遅くなりました...!素敵と言って貰えて嬉しいです( ´艸`)イラスト載せて全然大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます(*´∀`) (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» 凄い素敵です……!!ありがとうございます、めちゃくちゃ嬉しいです!!(*´ω`*)それで一つ質問何ですが、イラスト紹介の際乗せても大丈夫ですかね…? (2021年1月6日 8時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
結色緋月@ラムネちゃんセコム(プロフ) - ルカさん» https://drive.google.com/file/d/1MesneprGFg0OXTbRrHQrkmoDjke1r5MZ/view?usp=drivesdk 描けました...!Googleドライブに入るので多分ダウンロードも出来ると思います!小6クオリティなのでめちゃ下手ですがお許しください<(_ _)>〈 ゴン!〕 (2021年1月4日 15時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» ィェ((・ω・*≡*・ω・))ィェ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルカ | 作成日時:2020年12月20日 16時