舞い降りた厄災。 ページ15
side無し
ユ「ハァ、今日も鏡花さんいないなぁ……」
ある日の食堂で、オンボロ寮の監督生ことユウは頬杖をついて物憂げにため息をついていた。
脳裏に浮かぶのはそう、最近片思い中の彼。
最近は接近禁止命令のせいで"別居"中で、学園でも姿を見ない。
明らかな恋する乙女である。
しかし、彼女の傍らに座るエースとデュースは庇護欲を掻き立てられる可憐な少女が色々といい噂を聞かない彼に好意を寄せている事に気が気ではない。
それがつい最近、自分らの所属する寮の寮長を堂々と侮辱したのであれば。
エ「あのさユウ、流石に…」
エースがつまらなそうに苦言を呈そうとした、その時─
唐突に、ある一点から紅色の淡い光が発せられる。
デ「な、なんだ!?」
眩い光は目を焼き、食堂内を光で満たす。
その光は、先程まで何やらブツブツ呟く生徒の足元から発さられたものだった。
良くも悪くも個性的な生徒が多いNRC、食事中にブツブツ呟く生徒がいても皆さして気にしていなかったのだ。
それが、自分らの身を滅ぼすとは知らずに。
その光は、良く見たらどす黒い紅色の魔法陣であった。
どことなく不気味な気配の漂う魔法陣から、一層強く光が迸る。
次の瞬間───光と共に現れたのは、筋骨隆々の角が生えた化け物。
この世界にも魔物がいる。
しかし、その化け物はそれとは明らかに一線を画していた。
目は充血し、口からはダラダラとヨダレを垂らし。
明らかに普通ではないその化け物に、食堂内が騒然となる。
モブ1「な、なんだあの化け物…?!」
モブ2「召喚術…?!」
「おい、命令だ。
──彼奴を殺せ」
化け物を召喚したらしい生徒が、静かに視線の先で怯える少女……ユウを指差す。
しかし、目には殺意が燃えており明らかに平常では無かった。
ギョロリ、化け物の赤い目が確かにユウを捉える。
ニタリ、鋭い牙の生え揃った口が三日月の形を作る。
ユ「ヒッ…!」
怯えるユウ。
ア「監督生さんは下がっていて下さい!」
しかし、そこでNRCきっての魔法士ことアズールが化け物とユウの間に割り込む。
彼の放ったファイヤーショットは確かに化け物の片腕を焼き焦がした筈だった。
しかし……!
ア「…んなっ?!」
海を連想させる水色の瞳が驚愕に見開かれる。
それもそのはず、焼け焦げ、ボロボロと崩れ落ちた筈の化け物の片腕はまるで何事も無かったかのように再生したのだ。
しかも、それで機動力が削がれた様子もない。
ア(何なんです、この化け物…!)
長丁場になりそうな予感に、アズールは静かに歯噛みした。
だが──。
不意に、凛とした声が響いた。
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ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» 許可ありがとうございます! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
結色緋月@ラムネちゃんセコム(プロフ) - 遅くなりました...!素敵と言って貰えて嬉しいです( ´艸`)イラスト載せて全然大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます(*´∀`) (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» 凄い素敵です……!!ありがとうございます、めちゃくちゃ嬉しいです!!(*´ω`*)それで一つ質問何ですが、イラスト紹介の際乗せても大丈夫ですかね…? (2021年1月6日 8時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
結色緋月@ラムネちゃんセコム(プロフ) - ルカさん» https://drive.google.com/file/d/1MesneprGFg0OXTbRrHQrkmoDjke1r5MZ/view?usp=drivesdk 描けました...!Googleドライブに入るので多分ダウンロードも出来ると思います!小6クオリティなのでめちゃ下手ですがお許しください<(_ _)>〈 ゴン!〕 (2021年1月4日 15時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 結色緋月@ラムネちゃんセコムさん» ィェ((・ω・*≡*・ω・))ィェ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルカ | 作成日時:2020年12月20日 16時