第拾七話「初めての友達」 ページ18
男主side
色々な意味で大騒ぎな一時間目を終え、合間にある五分休みが訪れるとあっという間に僕の机の周りには沢山の人が集まって来た。
正直、さっきの自己紹介の時点で耳が痛いっていうのに…。
あ、因みに僕の席は窓側で前から二番目だ。隣の人はいないけど来たら出来れば友達になっておこう。
モブ男1「なぁなぁ!メアド交換しねーか?!」
モブ男2「抜けがけは無しだぞ?!」
モブ男1「黙れ小僧!」
というか、黙れ小僧って某山犬のお母さんのセリフじゃ……、おっと、これ以上はやめておこう。なんか嫌な予感するし。
モブ男2「ハァッ?!」
あれよあれよという間に喧嘩が始まり、よりによって周りの人も巻き込んで大乱闘が始まった。
転校初日で新しい学校にも全然慣れてないんだから…。勘弁して欲しいよ全く…。
悠「大丈夫か、お前ー?」
軽くため息をつき、机に額を付けて突っ伏してる隣からそんな間の抜けた声が聞こえてきた。
起き上がって見ると、いつの間に隣に座ったのかさっき僕に質問をしてきた子が顔をまじまじと覗き込んで来てた。
名前は…、えっと確か…悠だっけ?合ってると良いけど…一応聞いてみよ。
『君は……、悠君…だっけ?』
悠「そうそう!俺は悠!秋野悠だ!覚えてくれててあんがとな!」
良かった合ってた…。
悠君は嬉しそうに口角を上げると、僕に手を差し出してきた。
悠「夏樹、俺と友達になろーぜ!」
『…へ?』
いきなり過ぎて一瞬呆気に取られたけど、すぐに持ち直した。絶対あほ面になってたよ…、恥ずかし…。
とにかく、折角の友達になれるチャンスだ。これを逃す訳には行かないな。
今の会話を聞いてたのか、ドアの付近で喧嘩してた人達が尋常じゃないくらい悔しがってたけど悠君は完全に無視していた。
『良い…の?僕なんかと…。』
自己紹介の時は調子乗ってミッションとか言ってたけど、いざ友達になる時は一歩引いちゃうのが僕の悪い癖なんだよな…。
上手くいえないけど、裏切られるのが怖いって卑屈気味に考えちゃうからなぁ……。
でも、悠君はそんな人ではないと思う。この子なら、信用しても大丈夫だと思った。
悠「おぅ!全然良いぜ!それに、夏樹はイケメンなんだからもっと自分に自信持てよな!」
ポジティブだなぁ羨ましい…。
『じゃあ……、よろしく、悠!』
悠「あぁ!」
僕は、差し出された悠君もとい悠の多少骨ばった大きな手をしっかりと握った。さりげなく呼び捨てにしたけど、悠は全然気にして無かった。
こうして、この学校…彩風学園に来てからの初めての友達が出来た。
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ジジ - 絵書いてみてもよろしいでしょうか? (2020年7月25日 17時) (レス) id: 06e1334f71 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(*´ω`*) (2019年1月5日 10時) (レス) id: 03f53390f0 (このIDを非表示/違反報告)
ヘタレシャイニング - この作品…最っ高…!! (2019年1月5日 4時) (レス) id: 529cfe3136 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - ありがとうございます!修正しておきます! (2019年1月4日 13時) (レス) id: 03f53390f0 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごく面白かったです!続き、楽しみにしております! 拾壱話のところ、名前変換されてませんよー! (2019年1月4日 13時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2018年12月26日 19時