機械の救済 ページ22
ユウside
ニヤニヤと笑うペスト男達。
焦った様子が微塵も感じられないその姿に、私はギリッと歯噛みする。
しまった、泳がされてた……!!
彼岸さんから降りても、全く追手が現れないからおかしいと思ってた……!彼岸さんの限界が来るまで待って……!
思わずヒュ、ヒュと浅く息をする彼岸さんの頭を抱きギロリとペスト男達を睨み付ける。
ペスト1「そう睨まないで下さいな。
……にしても随分持ちましたねぇ。
付けた者の身体を内側から蝕む捕獲用のピアスなのに」
ユ「……は?」
蝕む……?
ペスト2「そう。
そのピアスを付けてから数ヶ月、そこの狐はずっと体内を蝕まれて来たのですよ。 外すにも電撃が流れ…自分から話そうにも口外抑制の魔法を掛けてありますから」
ぐらりと目眩がする。
この人達は、一体何を言って……?
唖然としている間に彼岸さんの身体がガクリと崩れ落ちて、反射でそれを支えた。
ユ「彼岸さんっ」
ペスト1「さて、随分手こずりましたが最早その狐はただの狐同然。
早くこちら側に引き渡してくれると……」
ペスト男達の手がこちらに伸びてくる。
この世界に来てから何度も見てきた物だけど、やはり恐怖は拭えない。
彼岸さんの頭を抱いて、ギュッと目を瞑った。
刹那───何処からか電子音が響く。
ピピッ…
オ「電子反応を感知…。
これより、対象:彼岸が所有している呪いのピアスを破壊、無効化します。
対象を破壊、無効化魔法を発動…………成功しました」
刹那、パキンッと弾かれるようにして彼岸さんのピアスが弾け飛んだ。
ペスト1「んな……っ?!」
ユ「彼岸さん!」
ぐ、と今度こそ私に半分身体を預けていた彼岸さんの力が抜ける。
必然的に地面に腰を下ろし、彼岸さんの頭を私の膝に乗せる所謂膝枕の様な姿勢になった。
だが今の彼岸さんは流石に獣姿、セーフである。
……セーフ、だよね?
若干現実逃避しつつも、機械のボディを持つその人物に思わずパチパチと目を瞬かせる。
ユ「オルト君……!」
オ「遅れてごめんなさい、監督生のユウさん!彼岸さんが付けていたピアスってGPS機能が付いてたから、逆探知して居場所を特定したんだ!」
えっへん!と胸を張るオルト君。
オルト君とは彼岸さん繋がりで仲良くなった。
漸く見知った人物が助けに来てくれた事に、強ばっていた肩の力を抜く。
……だけど、まだ安心は出来ない。
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ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» (・ω・(ヾ)YES!(ストーブの前で書き書き) (2020年11月4日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - うっす!(`・ω・´)ゝ(布団の中待機なう) (2020年11月4日 2時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ありがとうございます!ですが最近冷え込んで来たので、暖めるのを忘れずに……!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ (2020年11月3日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - マジっすか!全裸待機してますね!)))) (2020年11月3日 19時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ( °ω° ;)=( ;°ω° )イエイエイエ!!(高速首振り)全然大丈夫なんですが、なんかすいませんこちらこそ……とりあえず、近いうちに制作予定なのでよろしくお願いします(´・ω・`) (2020年11月3日 15時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年10月18日 12時