突然の失踪 ページ13
side無し
学「何ですって?!いなくなった?!」
バンッ!!と勢いよく机を叩く音が彼の仕事部屋に響き渡る。
その言葉、魔法薬学を担当するクルーウェルは重々しく頷いた。
陽気なバルガスや、サムまでもが無言で頷く。
到底嘘ではないと悟ったクロウリーは、乗り出した身体を椅子の背中にギシリと預けて分かりやすく眉間を揉んだ。
学「ハァー……なんということでしょう、彼岸さんやユウさん、果てはグリムさんまでもがいなくなってしまうなんて……」
ク「西校舎の裏庭の時点で、二人の目撃情報は途切れている。
グリムはついさっき調べたばかりだが、まだこちらは確定されていない。
話を戻すが…場所は離れの倉庫。
ほぼ全員が手か足かどちらかの腕の骨を噛み砕かれていたらしい。
命に別状は無いとの事だが、全員見事に錯乱していて話にならない。
唯一話が出来そうなのはもう一人の監督生だが……「彼岸が化け物になった」「私は何もしていない」と訳の分からない事を喚くばかりで微妙に話にならない。
そして、」
これが現場に落ちていたペンダントだ
とクルーウェルが見せたのは、粉々に砕かれたペンダント。
鍵を模したそれは、見事に粉々になっており魔法を使わなければ修復は不可能だろうと素人目で見ても分かる程だ。
所有者であるユウが行方不明の為、修復されずにそのままになっている。
現場には多量の血痕と、争った形跡のある壊れた備品。
辺りには引っかき傷や噛み跡が無数に残されており、まるで獣が暴れ回ったようだという。
それと、現場に残された赤い獣の毛。
暗闇でも妙に映えるそれは、彼女……彼岸の赤髪とそっくりだとその時クルーウェルは思った。
だが、彼岸は肩辺りまでのウルフカット。
そんな成人男性の足ほどはありそうな長さの毛な訳ないのだ。
現場が発見されたのは昨夜。
サバナクローの寮生がたまたま傍を通った時、粘りつく血の匂いに異変と気付いたらしい。
何せ場所は生徒どころか教師すらも寄り付かない離れの薄暗い倉庫。
発見が遅れたのは致し方ない事だろう。
生徒達の様子から見るに、事が起きたのは夕方の時間帯。
各々骨を噛み砕かれる大怪我を負った訳だが、その割にやたらと傷口が小さく出血量も少なかった為すぐに回復魔法と中級の魔法薬で何とかなった。
だが、それで犯人が分かった訳でもない。
そもそも魔物なら学園中に魔法障壁が張ってある筈だ。
中々停滞しそうな状況に、教師陣は揃ってため息をついたのだった。
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ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» (・ω・(ヾ)YES!(ストーブの前で書き書き) (2020年11月4日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - うっす!(`・ω・´)ゝ(布団の中待機なう) (2020年11月4日 2時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ありがとうございます!ですが最近冷え込んで来たので、暖めるのを忘れずに……!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ (2020年11月3日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - マジっすか!全裸待機してますね!)))) (2020年11月3日 19時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ( °ω° ;)=( ;°ω° )イエイエイエ!!(高速首振り)全然大丈夫なんですが、なんかすいませんこちらこそ……とりあえず、近いうちに制作予定なのでよろしくお願いします(´・ω・`) (2020年11月3日 15時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年10月18日 12時