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鬼神の篝火 ページ12

取り巻き(モブ)side

モブ「う、ぁ……」

なん、だこれは……??

情けなく尻餅をつき、はくはくと腹を空かした金魚のように口を開閉させる。
それほどまでに、今目の前で鎮座しているそれは恐ろしかった。

息を吸うだけで肺が破裂しそうな濃密な殺気が、ダイレクトに直撃する。

俺はまだ良い方で、一部の奴らは股間を黄色く濡らして文字通り失神していた。

モブ「ッ……」

じわりと、涙が浮かぶ。

アイツが地を這う様な重々しい咆哮を発した後、腕を踏んでいた奴の股間をクルリと仰向けになって蹴り飛ばして……そんで一瞬で縄を引きちぎって…。
今現在ユラリと立ち上がったアイツは、片手を途中まであげる一件厨二病のようなポーズをしたまま背中を丸めて俯いている。

刹那────何かが弾けるように、アイツの身体が大きくなり始める。

モブ「ヒッ……!!」

バキ、ゴキと何かが肥大化する音だ。

ザワザワと赤髪が逆立ち、アイツが上げた片手を握り締めた直後──ぶわりと身体中に髪と同色の赤い毛が生えた。
腰辺りに太い尻尾が揺れ、やや縦に長い獣の耳が音を感じるようにピクピクと揺れた。

狐の、獣人だ……。

だが、サバナクロー見てぇな耳と尻尾だけが生えてる連中とは違う。
例えるならば、半身半獣の狼男の様な容姿だった。
全身毛むくじゃらだが、それでも人の形を保っている。

鋭くて黒い爪は靴を貫く。

額には、太くて白い角が皮膚を突き破るようにして高々と二本生えていた。
まるで牛かヤギのような、猛だけしい角だ。

モブ「ば、化け物……っ」

最早そう言わざるを得なかった。
此奴はもう人間でも獣人でも無い。
ただの化け物だ。

いっそ気絶出来ていればどんなに良かっただろうか。

頭の中に、逃げるビジョンさえも浮かべることすら出来ない。

『…………。』

モブ「ヒ、ヒイィ……ッ!!!」

ギロリと、インクのような黒い目がこちらを向く。
宵闇のような瞳は、しかし確かに細く鋭い瞳孔を刻んでいた。
手の爪も獣の如く鋭さを持っている。

嗚呼、俺はこの双眼に殺されるのだ。

俺は、漠然とそう思った。

◇◇◇
※ユウは早々に気絶してます。

因みにアイの方はショック過ぎて声が出てないだけです。

突然の失踪→←当時の情景



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ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» (・ω・(ヾ)YES!(ストーブの前で書き書き) (2020年11月4日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - うっす!(`・ω・´)ゝ(布団の中待機なう) (2020年11月4日 2時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ありがとうございます!ですが最近冷え込んで来たので、暖めるのを忘れずに……!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ (2020年11月3日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - マジっすか!全裸待機してますね!)))) (2020年11月3日 19時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ( °ω° ;)=( ;°ω° )イエイエイエ!!(高速首振り)全然大丈夫なんですが、なんかすいませんこちらこそ……とりあえず、近いうちに制作予定なのでよろしくお願いします(´・ω・`) (2020年11月3日 15時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年10月18日 12時

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