突然の乱入。 ページ5
渚side
渚「この文面はこれを示していて、それで──」
ある日の昼下がり。
ビッチ先生が転入して来た数日間は多少色々な意味で荒れてはいたけど、最近は穏やかになり落ち着いている。
もう既に昼食を食べ終え午後の授業を進めてはいるが、皆凄く眠そうだ。
今日は一段と暖かく春らしい空模様の為、皆差はあるけどそれぞれ微睡んでいた。
かくいう僕も、殺せんせーに指名され黒板にカツカツとチョークを弾いてはいるものの気を抜けば眠ってしまいそうだ。
殺せんせーもほんのり顔を桃色に染めてリラックスしている。
だけど完全な隙を見せる気は無いようで、僕がナイフを差し込めそうな隙は残念ながら見当たらない。
だけどそれもいつもの事だ。
この超生物は、油断している様に見えて全然隙を見せてくれない。
カツン、カツンとチョークを弾く音が緩やかに響く。
規則的に聞こえる音は、それでいて不規則だ。
そんな穏やかな空間に、ふと違和感が生じた。
渚「…?」
ふっと、首筋に冷気が触れた。
冬の冷えた空気の様な、冷たい風。
気のせいと言われればそれまでだけど、思わずチョークを弾く手を止めてしまった。
殺せんせーもそれに気付いた様で、半目になりかけていた目をパチリと開いた。
殺「どうしましたか、渚君?」
渚「あ、いえ…」
何でもないです、
そう言いかけた刹那、廊下から何かが爆発した様な物凄い音が響いた。
一瞬間を置いて校舎がグラリと揺れる。
手からスルリと抜け落ちたチョークが、床に落ちて砕け散った。
そして、「にゅやっ?!」という殺せんせーの悲鳴が聞こえ──。
気が付いたら、学生服の様な服の上にやけに和風な上着を羽織った三つ編みの女の子が──教壇の上に乗って殺せんせーに刀らしき物を突き付けていた。
腰を低く落とし、今にも斬りかからんとしている。
三つ編みと言っても、奥田さんの様な短い三つ編みでは無く──一本の三つ編みを、太く長く後ろに流していた。
怒涛の展開に、理解が追い付かない。
そんな中で、唯一早く動けたのは──委員長の磯貝君とずば抜けて勘が鋭い業君だった。
磯「皆っ、下がれ!!」
業「何か様子がおかしいね〜、殺せんせーも知らないっぽい」
穏やかだった教室が一気にザワ付き、皆教室の隅に避難した。
一瞬此方を見やったアイスブルーの瞳が、すぐに殺せんせーへと殺意の篭った視線を向けた。
誰なんだ…この女の子……?!
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零華 - 続き楽しみです (2021年1月13日 17時) (レス) id: 6f87195320 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - Ruiさん» 指摘ありがとうございます!修正させていただきます! (2020年9月25日 8時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます、嬉しいです!蛇足ですが、これからも見てくれると嬉しいです! (2020年9月25日 8時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - 追記:最後まで呼んだところ''保健室にて。''の話でも名前変換が出来ていないところがありました。 (2020年9月25日 3時) (レス) id: 597445a026 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - 夜分遅くに失礼します。 このお話とても面白いです! 話を読んでいる時に設定の名前の部分と''謎の生物。''の所の最後の部分で名前変換ができていませんでした。ご確認お願いします。(*・ω・)*_ _)ペコリ (2020年9月25日 3時) (レス) id: 597445a026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年8月31日 16時