親愛なる隣人のいない世界3_スタークside_ ページ23
坊やに何かあったら、どんな事情があろうとそれは全て僕の責任だ。
坊やを巻き込んだ時から、坊やにスーツを与えた時から決めていた。
彼女に出会った日から、坊やに何かあったら僕の全てを賭けてでも彼女に償うべきだと
彼女が犠牲になって救われる運命だとニックから知らされた時から、彼女も坊やも絶対に守り抜くという覚悟をしたはずだった
彼女の能力orderに背いて爛れた手の痛みよりも、何倍もの痛さが胸の辺りを焼き尽くす。
あぁ、僕はどう償えばいい
『…なんで貴方が、そんな顔するのよ』
彼女は静かに声を殺して言った。
握り締めた彼女の手から血が伝って、床に血だまりを作った。
『そんな、全部自分のせいだって本気で思っているわけ!?
ねぇっ!!全部自分が背負い込めば丸く収まると思っているのでしょう!?
【立ちなさいよ】』
スタ「ぐっ…ぅ…っ、…」
無理矢理立たされて下半身に付加がかかった。
キャプ「君っ、今はもういいだろう?」
彼女は涙を流しながらスティーブを睨んだ
もっとも、じいさん意外は一言も発することができないくらいに彼女の殺気に気圧されていた。
スタ「じいさんは黙っててくれ」
彼女が何かする前に止めておいたが、正解だった
当たるのは僕だけでいい
『…ピーターはインターンの帰りに、いつも言ってたわ
「スタークさんは全部一人で背負い込んで、孤独になろうとするんだよ…
ほんとは誰よりも寂しがり屋で優しいのに。
だからね、任務で僕にもしものことがあってもスタークさんを責めないであげて
絶対だよ、A、約束して」
私にこんな約束までさせたのよ』
スタ「…坊や、…」
『あぁもう、嫌だわ…これじゃあ、ピーターに怒られちゃう
こんな世界1つ壊すだけでも怒られるわね、きっと
もうどうしろっていうのよ
……ピーターの話によく出てくるキャプテンアメリカも、ブラックウィンドウも、ハルクも、…アイアンマンも…ピーターが大切にしていたこの世界も、…私には憎くて堪らないわ!
あの子が大切にしていたもの全てに報復してやりたいわ!
なんでピーターを守ってくれなかったのよって!』
彼女は壁に血塗れの手を叩き付けた。
この場にいる全員が取り返しのつかないことをしてしまったと自覚した。
彼女を止める者も励ますことのできる者も、この場にはいなかった。
この場にいる全員がヒーローであるが故に。
『…ピーターも、…行き先くらい教えてくれたっていいじゃないの』
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←親愛なる隣人のいない世界2_スティーブside_
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kirin | 作成日時:2019年8月22日 14時