緑の脅威くん【我々だ】 (ページ3)

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緑色の脅威ページ3

我々国にスパイし、我々国の情報を集める。

それが女王の命令やった。

女王は嫌いや。俺の大切なものを壊したから。

でも、ミユキは女王が大好き。やから俺はミユキに嫌われないためにもずっと女王に忠実やった。

スパイは慣れとった。良くやっとったから。

やから、今回もすぐに終わらせるつもりやったんやけどな……

でも、気付けば彼奴等を仲間やと認識するようになった。

気付けば彼奴等を裏切りたくないと思うようになった。

気付けば彼奴等が大切になっとった。

気付けば彼奴等が俺の中で大きな存在になっとった。

彼奴等を裏切りたくない。彼奴等を殺したくない。彼奴等を傷つけたくない。

でも、そうしないとミユキに嫌われる。

ミユキにだけは嫌われたくないんや。

俺にとってミユキは唯一無二の存在や。

ミユキに嫌われてもうたら俺は生きる意味が無くなってまう。

我々国のゾムとa国のゾム。どっちの方が幸せに慣れるか何て俺には分からへん。

ミユキか彼奴等か。天秤に掛けた時、俺はどっちを選ぶのか。多分、今の俺は選べへん。

其れくらい、どっちも大切なんや。

ミユキの為やったら何でもする。ミユキの為なら世界やって滅ぼすし、自′殺やって喜んでする。

でも、いくらミユキの為やとしても……彼奴等を殺す事は、彼奴等を傷つける事は出来ひんのや、！

初めてやった。ミユキやa国の国民以外でこんなにも大切な人が出来るのは……

初めてやった。こいつ等になら背中を預けてもええって思えたんは……

初めてやった。心から仲間やって思えたんは……

もし、今すぐa国を裏切って彼奴等の本当の仲間に成れたら……

もし、彼奴等と出会わへんかったら……

俺は幸せに成れてたんかな？

rb「………？………！……ム？おい！…ム！ゾム！」

「っ！？」

rb「大丈夫か？ボーッとして」

「あ、うん。大丈夫やで。ちょっと考え事してただけやから」

rb「珍しいな。ゾムが考え事なんて」

「そうか？あ、せや！ロボロ！食堂まで競争しようや！」

rb「おっ！ええで！負ける気せんよ！」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

そうやって俺はまた

自分に、

彼奴等に、

嘘を付く。

『緑色の脅威はフードの中で悲しそうに苦しそうに笑った。』