美男と化物 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:2,683 hit

#02 Ryuga ページ3

.

「那須！」

「何？」

「これ見てよ！ほら、新曲だって！来たー！」

「あぁ。良かったね」

ある女の子のお助け(？)をしたあと、

突然なった通知音。

見ると、
僕が好きなグループの新曲が出る、という通知だった。

「今回はどんなのかな？楽しみだね！」

「新曲もいいけど勉強しろよ」

「え、やだよ。だってわかんないんだもん」

「教えてやるから」

「まじ!?ありがとう！」

学年でも1、2を争う秀才の那須は、勉強のことになると心強い。

「あっ、ねぇ那須」

「ん？」

「さっきあの女の子に対してなんであんな嫌そうな顔したの？」

「えっ、龍我知らないの？」

「何が？」

「アイツ、超暗いの。話しかけても声ちっちゃくて何言ってるか聞こえないし。
しかもクラスの集まりとかも全部断るらしいよ」

「へぇ～…。」

僕もぶっちゃけクラスの集まりって嫌なときもあるから、断れるのってすごいな。

「あー、ほら。もうチャイムなるじゃん。
休み時間終わるよ？」

「えっ、うそ！」

「早く教室戻るぞ」

.

「…ない。」

「龍我どうした？」

「僕の写真がない…」

「写真？」

「さっき落としたんだ…」

教室へ戻るとき、全力疾走した僕。

ジャケットのポケットに入れていたはずの推しの写真が消えていた。

「どうしよう…。せっかく隣のお姉ちゃんに貰ったのに…」

新曲が発表されたと言うのに、僕のテンションは急降下だ……。

.