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かなり大規模な、軍隊とも呼べるような武装集団。
大きく「陸上部隊」「海上部隊」「航空部隊」の三つに分かれ、人数は多くはないものの存在感を放っていた。
その中で大野たちが所属しているのは、雹隊を始めとする陸上部隊だった。
この武装集団が何なのかと元をたどれば、国の省庁に行き着くのだが、そんなことは表に言えるはずがない。
なんだかんだと誤魔化されているが、それでも国から保護されている組織であることは間違いない。
民間から国際レベルのものまで、様々なことを請け負う戦闘組織と化していた。
大野たちが所属する雹隊は、この陸上部隊の中で「精鋭部隊」とも言われているもの。
能力の高い者たちが多く所属し、対組織壊滅を主な仕事にする部隊だ。
暗殺業務なども、基本は雹隊が請け負う。
雹隊は二十班から成り、全体人数は百五十人ほどだ。
雹隊の他に、霰隊、霜隊と呼ばれている部隊もある。
雹隊を「精鋭部隊」と呼ぶなら、霰隊は「精鋭養成部隊」であり、霜隊は「一般部隊」だ。
霰隊は三百人ほど、霜隊は五百人ほどで構成されている部隊だ。
「まあ、十五班も戦線離脱が増えたからさ。霰隊からの補充は多めになるだろうね」
じっと相葉を見る大野。
「松本は出れるんでしょ？」
「まあ。多分数回は現場行けないだろうけどね。だから、翔くんとニノも行かない。十五班からの出動はなし」
俺がそもそも戦線離脱してるからなあ、なんてぼやいている。
「俺らが落とされることはないの？ 霜隊じゃないにしても、霰隊とか」
「上が気に入っちゃってるみたいでね。死なない限り、多分ずっと雹隊だね」
「えー」
嫌そうな顔をした櫻井。
「俺霰隊がいい」
「俺も」
「駄々こねんなよ……」
ため息をついた大野。
班長は大野のため、隊長などの上との間に入るのも大野だ。
確かにワガママだった、と櫻井と二宮は口を閉じたのだが。
「俺も霰隊がいいんだからさ……」
「おい」
やっぱり、この人は十五班の班長らしい。
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2018年12月9日 2時
