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「和みたい、か」
ぼーっと光を眺めている相葉。
「ニノって、すごいよね。俺ができないこと全部できちゃう。ほんと、すごいなあ」
独り言のように呟いている。
そんな相葉を見て苦笑した松本。
「ほら、そのままだと風邪引くからベッド入りな」
また車椅子に手をかけ、相葉のベッドに近づける。
「松潤」
「ん？」
「ニノのこと、ちゃんと守ってあげてね」
そう言った相葉の表情は読めなかった。
「……そうだな。相葉くんも、翔さんのことをちゃんと守ってあげな」
返事はない。
「相葉くん？」
「……うん。翔ちゃんのこと、ちゃんと守れたらいいな」
その言葉にいろんな意味が込められていることは、松本は知っている。
松本は小さく笑った。
「あんま抱え込みすぎるなよ。一人で悩んでてもいいことないから」
相葉がベッドの上に上る手伝いをする。
「そうだね。気をつけるよ」
あはは、と笑う相葉。
「何でも一人で悩むんだからなあ。一人じゃないのに」
「そうだね、十五班のみんながいるもんね。五人なら怖いものなんかないし」
布団に潜り込んで、松本がいる逆側を向いた。
「でも、ふとしたときに怖くなるんだよ」
松本は何も答えない。
ただ、黙って自分のベッドに潜り込む。
「俺、本当に翔ちゃんのこと守れるのかなあ」
「大丈夫、守れるよ。相葉くん強いし」
何の根拠もない。
それでも、そう言うと相葉が少しでも安心できるのは知っていた。
「……ありがとね、松潤」
ふふっと笑う相葉。
雹隊に上がる前、霰隊にいた頃から五人は同じ班だった。
元々、この班は戦闘員が四人、非戦闘員が一人の班だったのだ。
大野が櫻井とパートナーを組み、相葉が二宮とパートナーを組み、松本はその場その場でどちらかに加えてもらっていた。
櫻井が相葉とパートナーを組み、二宮が松本とパートナーを組み、大野が一人で動いている今とは違う。
パートナーというのは現場では大きな意味を持つ。
戦闘員同士なら、自分の身は自分で守ることができる。
ただ、戦闘員と非戦闘員がパートナーを組むとなると戦闘員の負担は大きい。
非戦闘員を守りながら戦うというのはかなり大変なこと。
霰隊にいた頃、ある現場で事故が起こった。
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2018年12月9日 2時
