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「確認された時に知らないなんてことあったら困るのニノだもんね」
大野の言葉に苦笑いした二宮。
「あんた、俺が言ったのそのまま言ってるだろ」
「バレた？」
「バレるわ」
その通りだけどさ、とUSBメモリを差す。
「あー元データそんな感じか。確認するのも面倒だな」
顔をしかめる二宮。
まとめられたものの後に見ると分かりにくくて仕方がない。
「今日はもうやめちゃう？ 休憩しようよ」
「休憩します？ ちょうどコーヒーもあるしね」
「うん、休憩しようよ。翔くん、休憩しよ」
ずっと画面とにらめっこしていた櫻井に声をかけに行く大野。
「……あの人が仕事したくないだけだよな」
コーヒーカップを手に取り呆れ顔になった二宮。
分かってはいるものの、確かに休憩した方がよさそうだ。
「ねえニノ。もしかしてさ、他のメールの内容も全部あんな感じだった？」
大野に呼ばれて顔を上げた櫻井の一言目がそれだ。
「え？ あぁうん、全部数字で似たような感じだよ」
「見せてくれない？」
「勝手に見ていいよ。そこから戻ったりすれば見れるから」
それを聞いて櫻井はまたパソコンに向かう。
「えー、翔くん休憩しようよ」
「何か分かった気がするから後で。大野くんはニノと休憩してればいいじゃん」
「えー」
「邪魔をしない。大野さん、こっち来なさいこっち」
少し離れた場所にあるソファに座った二宮。
隣を叩くと、大野が口を尖らせたままやって来る。
「翔くんも一回スイッチ入ると全然仕事やめなくなるんだから」
「はいはい、そんなことで拗ねない。子供じゃないんだから」
「拗ねてねえし」
ずずずっとコーヒーをすする大野。
これで最年長なのだから不思議だ。
「頭使うより身体動かす方が楽だなあ」
「じゃあ早くその怪我治しなさいよ」
「無茶言うなよ、治るまで三ヶ月かかるって言われてんのに」
「バカだから早く治りそうだけど」
「んなわけあるか」
二人揃って黙ってコーヒーを飲む。
「……待って、今俺のことバカって言った？」
「遅くね？」
けらけら笑う二宮。
悪気があって、というよりもいつ気がつくか、とからかい半分で言ったらしい。
「んも、ニノったら」
「なーんか大野さん面白いんだよね。相葉さんも面白いけどさ」
毎日飽きないわ、とまたコーヒーを飲んだ。
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2018年12月9日 2時
