WITHOUT YOU (ページ43)

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一瞬でもページ43

曖昧な意識の中で
チャイムが鳴ったような気がした。

・

だけど気がしただけで
また深い眠りについてた頃。

・

「ん・・・ユンジェ」

・

足元側のベッドが沈む感触が伝わって
目を開けた。

え...！？

「ユ、ユンジェなんで服来てないの？」

・

開けた視界に飛び込んだのは
バスタオルでガシガシ頭を拭いて

それで上半身丸出しのユンジェ。

「ああ。ごめん。シャワー借りてた。」

それはいいから服着て欲しいんだけど！

「服ぐらい着てよ。流石にびっくりする。」

・

思わず視線を逸らした。

いくらユンジェでも驚くから！

「そんなことより。お客さんが来てた。」

「誰？」

布団を被りながらそう言う。

「ジードラゴン。ほらこれ。」

ジードラゴン・・・

え・・・

「ジヨンが？！」

思わずガバッと布団から顔を出した。

「渡してくださいって。」

ユンジェは起き上がった私の膝の上に
白い大きな箱を乗せた。

・

「そんなに仲いいなんて驚いた。お見舞いに来るなんて。」

・

ジヨン。来てくれたんだ・・・

「開けてみたら？」

「・・・うん。」

子供のように頷いて
その箱を開けた。

これって。

このあいだくれたメールとこのだ・・・

・

「案外優しかったりするんだ。
Aさんに。」

・

「美味しそう・・・」

優しいよ？

ジヨンは。

きっと皆んなが思ってるよりもずっと。

大きな箱の中には沢山のゼリーが並んでいた。

色とりどりで

いっぱい果物が入ってるやつ。

・

「ユンジェも食べて？」

そこからひとつユンジェにスプーンと一緒に
差し出す。

「いいのかな。俺貰っちゃって。
ほんとは彼も一緒に食べようとしたのかもよ？」

「うん・・・」

・

一口口に運ぶとすごく優しい味がして

気がつけばすっかり熱も下がってて。

・

忘れなきゃ・・・全部。

たとえ一瞬でもいいから。

・

熱とともに

私の気持ちもいつしか

夢が覚めた時一緒に消えてしまった

そんな風に私の心は軽くなっていた。

「熱下がったんじゃない？」

「うん！これ食べたら平気になった！」

「ほんっと、こんな世話の焼けるヌナいないよ？」

思いっきりユンジェに笑われた。