WITHOUT YOU (ページ5)

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酔いがまわる頃ページ5

何気なく
視界に入った。

下のフロア見て

なんとなく

切ないような
そんな顔してた。

・

けど
視線はどこかひとつに
置いてるようで。

・

もうすぐ
後輩のラップパフォーマンスが
始まるから
ユニを連れて下に行きたいのに。

・

どこ見てんだ・・・？

その子の視線の先に目をやった。

・

「ジヨン！」

ユニがビール片手に
すぐ後ろにいた。

・

「下行こうか？」

「うん！いこいこ！」

酒もその頃には
十分に回ってて
ユニの
十分すぎるほど高いテンションに
また心なしかテンションが上がった。

・

振り返ると
さっきまでの子は消えてて。

「楽しみー♪」

ハイテンションのユニを連れて
歩いた。

今から始まるラップパフォーマンスに
勢いを増した観客の声が鳴り響いた時

「ユニ！あぶなっ・・・！」

ふらついたユニの手を思わずに引いた。

ユニがぶつかったと同時に
グラスの割れる音が
鮮明に聞こえた。

・

「ちょっと・・・

大丈夫・・」

・

足元に散らばったグラスの破片。

・

驚いたユニの声。

・

そして

・

ユニの視線の先には
しゃがみ込んだ
女性がいた。

・

「・・・ごめんなさい」

ガラス・・
大丈夫かよ・・・！

「ユニ先下降りてて？」

・

「分かった。」

「大丈夫ですか・・・？」

その女性の腕を掴んだ。

・

「ごめんなさい・・」

・

やっと顔をあげたその子は
さっきまで

俺が見てた子で。

・

やっぱりだ。

・

日本人だ。

・

２回目のごめんなさいが
はっきりと聞こえた。

・

「怪我、ないですか？」

・

「大丈夫です・・本当に
すいません・・」

韓国語でそう言うと
徐に破片に手を伸ばした。

「あ、怪我しますから。
今人来るから大丈夫」

・

ここで怪我されたら困るって。

瞬時に俺の頭に過る。

・

こんな時でも
仕事のことを考えてる。

G-DRAGONが適当に
対応したんじゃマズい。

・

「立てますか？」

「・・・はい」

立ったと同時にスタッフが来た。

怪我してないか
ちゃんと
対応してあげて？
俺はそう耳打ちした。

・

俺が１Fに降りた頃には
会場の熱気は最上昇してて

・

後輩のラップに
ガツンと
打ちのめされた。

・

すげーな。

・

俺は
若かった頃の自分たちを
重ねた。